旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第17回
国内の格安航空会社

ヨーロッパやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどでは、
格安航空会社を利用する人が増えています。
日本では東京路線の発着地、つまり羽田空港の発着枠がいっぱいで、
その枠が大手航空会社に独占されている状況であり、
新興の航空会社が利用できる状況ではありませんでした。
しかし、ここへ来て状況が変わってきました。

昨年10月に日本航空と日本エアシステムが経営を統合しました。
この統合の際に両社がそれまで持っていた羽田空港の発着枠を、
一部国土交通省に返上。返上された発着枠は同省が昨年4月に
「競争促進枠」というものに組み込まれました。
「競争促進枠」は、余っている発着枠は新興航空会社に優先的に
配分するというものなのです。
新興航空会社にはスカイマークエアラインズ、
北海道国際航空(エアドゥ)、スカイネット・アジア航空などがありますが、
日本ではこれらが格安航空会社に当たると考えていいでしょう。

さらに再来年になると現在の発着枠配分の見直しが行われ、
そのときまでに新興航空会社が国土交通省を納得させられるだけの
業績をあげておけば新興航空会社の発着枠はもっと増えるでしょう。
発着枠が増えるということは便数が増えるということですから、
乗客にとっては利便性が向上します。

利便性が向上すれば乗客が増え、さらに便数を多くできるという、
航空会社にとって好循環が生まれるわけです。
今年4月に、スカイマークエアラインズが
羽田−徳島、青森の線を就航。
従来の羽田−福岡、鹿児島の2路線から
ネットワークは一気に2倍に広げました。
北海道国際航空(エアドゥ)も今年9月から
羽田−旭川線を新しく開設。これらも競争促進枠を利用したもの。

格安航空会社は普通運賃が安いのが魅力。当日まで予約でき、
変更も無料でできるなど使い勝手もいい。
大手のマイレージを貯めている人には魅力がないかもしれませんが、
運賃が安い方に価値があるという考え方もあります。
ビジネスは大手で、レジャーは新興航空会社で。
そんな使い分けができるといいと思います。


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