第2109回
患者の信頼に足る「医師」とは?
どういうタイプの医師が信頼に足るか?
薬や病院選びより
これほどガンの患者にとって難しい問題はありません。
おまけに高齢者激増による病院経営や医療制度の問題で、
難病を扱う病院が減ってくる。
「貧乏人は病院に来るな」とでもいうような
高齢者や難病患者をないがしろにした患者漂流の政策が
まかり通る、まさに「長寿病弱国」に
いまの日本は成り下がってしまいました。
医療現場の実態はどうかといいますと、
もうガンの患者さんやご家族なら
イヤと言うほど体験しているはずですが、
いまの大病院の治療は、どの病院にいっても同じ。
3分間治療、3時間待ち、おまけに検査漬け、薬漬けで、
医師が患者の心身の訴えを聞いてくれる時間が
あまりにも少ない――、
これが「長寿病弱国」に成り下がった
いまの日本の医療現状でしょう。
患者と家族の不安は募るばかりなわけです。
現実に医師は勉強する暇もないほど
忙しくなっておりますから、
親身になって患者の立場に立つどころか、
医師同士の世界で決めた、
「手術」「抗ガン剤」「放射線」という
標準治療ガイドラインというアンチョコを眺めながら
まるで「壊れた機械修理」のように患者を扱っていきます。
とてもとても不定愁訴や心の悩みなど
聞いてくれる医師は少なくなりました。
患者の心身の痛みを
じっくり聞いてくれる医師はいなくなりました。
大病院にいって経験することは、
医師の診察の前に、若い看護士がマニュアル帳を片手に、
機械的に体質や家族構成などを聞くだけで、
では、いよいよ肝心の医師の診察時間になっても、
医師は、患者の方をしかと見つめて
いろいろと聞いてはくれない。
患者を診るより、ただただ検査数値とレントゲン写真と
にらめっこして、最後は、習ってきた
「医療ガイドライン」の治療ランキングを思い浮かべて、
「抗ガン剤と放射線で腫瘍を小さくして、
手術しましょう。手術は簡単です。完治しますよ」などと、
鸚鵡返しのように繰り返すわけです。
そしてガイドラインにない事態に陥ると
「あなたは余命半年です」などと引導を渡すのです。
決して、それぞれの患者の症状や体質、
生活習慣など事細かにメモして、
顔色や心の揺れ具合を確かめる
昔で言う問診や触診はしない医師が
当たり前のようになってきました。
別に、個々の医師の性格を責めるわけではありませんが、
嘆かわしい「長寿難病国」の実情です。
人間の「いのち」という、
いまの科学では解き明かせていないことを、
さも「機械の部分修理」と
同じようにすれば治ると錯覚をもたらす、
心の冷たいマニュアル治療、ガイドライン治療が
まかり通っていることは、
本当にいまの患者にとっては不幸なことであり、
耐え難いことになっているわけです。
僕は、この10年、
あちこちと医師と病院を巡りましたから、
幸運にも何人かの心温かい医師にめぐり合うことが出来、
こうして「ガンを切らずに」延命してきたわけです。
では、患者にとって
「信頼にたる医師」とはどういう人をいうのか?
僕の主治医でホリスティック医療の草分けである
帯津良一院長は「それは患者の寂しさが分かる医師です」
とはっきり答えてくれる、まさに良い先生でした。
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