元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2093回
たった一回の人生、元も子もありません

ガン闘病とは「一歩一歩 ガンと共に歩む」であり、
養生設計、人生設計の積み重ねだ――
という話の続きです。
拙著「ガン延命学新書」の、
『第44章「神の手」や「ブラックジャック」に騙されない』
で明かした、ガン延命力の賢い考え方について、
もう少し、本文から抜粋しておきましょう。

            *

さて、ガンは「治療技術のよしあし」のレベルだけで
片付く病気ではありません。
治療法、養生法、そして処世観の3つを
いかに患者と家族が設計していくか?

ガン治療は、まさに人生学、いや哲学的問題を、
ひとりひとりの患者に問いかけているわけです。
ガン治療とは、体を張るだけでなく、
こころも頭も柔軟に使っていのち全体を考える
人生の契機だと思い直しましょう。
しっかりとした心の覚悟、
つまり処世学が大切なのです。

というわけで、僕たちの研究会では
「スローヘルス患者学」を提唱し、
この長寿災難時代にこそ、
一人一人が、ゆったり長生きできることが、
創造的患者学だと提案しているわけです。
西洋医学の治療法だけでなく代替療法も組み合わせて、
自分に合った治療設計を考えることがいかに大切か? 
退院後も食事療法など免疫力を高め、
ガンに負けない体質を作る
生活習慣の改善がいかに大切か? 
スローヘルス健康法とは、
闇雲に病院や医師に、
いのちを預けてはいけない。
「自分の身は自分たちで守る」
「己のいのちは己で創る」という患者自立の発想です。

ガンという人生最大の危機を迎えたときこそ、
勇気を奮い立たせて、
次なる「自らの人生を創る」=
この創造的延命学の知恵を身につけるべきです。
ここに人間らしい生き方の原点があるのではないですか?
患者が納得できない乱暴な治療で命を失ったら、
たった一回の人生、元も子もありません。

「医師は神様にあらず」
「医師は機械の修理工にあらず」です。
人間本来がもつ自然治癒力を大切にし、
大自然のエネルギーと共生を考える
発想転換が大事だと思います。
帯津良一博士は「医師は修理工ではなく、
いのちの場を作る庭師だ」と断言しています。

患者と家族と心ある医師、
そして有機農園の人たちとも手を繋ぎ、
たえず、こころに希望とときめきを
起こすことによって、
人間本来の「いのちの絆」=「生活環境の場」を
しっかり作る考え方が
「スローヘルス患者会」の活動です。
ただ漫然と病院に通うだけでなく、
もっと大きな「いのちの広場」
「元気のフォーラム」を作ろうと考えているわけです。
その活動には、3つの実践原則があります。
(1)しなやかな「ネットワーク」を作る
(2)しなやかな「ライフライン」を作る
(3)しなやかな「バトンタッチ」を作る・・・

           *

続きはまた明日。


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2008年5月20日(火)

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