元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1986回
マクロビオティックと「温暖化・食糧危機」(1)

正食協会の月刊誌「むすび誌」、2008年2月号が届きました。
巻頭のマクロビオティックの始祖「桜沢如一・語録」が
とても、素晴らしいので、まずは、この名言から
抜粋紹介しておきましょう。

「正食は人生の秘儀である。幸福の密教である。
その真諦(しんたい)をつかむことは生易しいことではない。
どんな病気でも3〜5年あるいは
10年〜20年かかってできてくるのだから、
そんな早く治ってたまるものでない。
根本的に直すには5年や10年かかる。
正食を概念や知識で学んでも駄目だ」

僕はガンを切らずに延命して10年目ですから、
桜沢さんの名言が身に染みます。
とにかく、病院や医療の現場には、
検査漬け、薬漬けが当たり前する
治療拙速主義が蔓延し、
あたかも化学劇薬が奇跡の万能薬の如くに
喧伝されている、いまの世の中に警鐘を鳴らす名言なのです。

さて、その桜沢さんの遺志を、いまの時代に活かして、
現場から地道に活動を続けているのが、
大阪に本拠がある正食協会のみなさんですが、
前号、新年号に続いて掲載されている、
特集「マクロビオティック革命――新たなネットワークの時代に
家庭から静かな生活革命を」という座談会で、
とてもよい話が展開されているので紹介しておきましょう。

出席者は、
・岡田定三 正食協会会長
・花井陽光 NPO法人ついのすみか研究会主宰・正食協会編集委員
・波多野毅 寺子屋TAO塾代表、正食協会編集委員
・山口徹平 「むすび」誌の前副編集長、正食協会編集委員
・・・の4氏です。

                *

岡田 桜沢先生のおやりになったことをつぶさに見てきましたが
(略)、マクロビオティックというのは、突き詰めると、
社会のシステムを変える以前の問題です。
個人に浸透させるしか方法はないんです。
たとえば今、政府が「食育」と言い出して
食育というものにかなりの人たちが関心を持ち出しましたが、
具体的に食育の中身を実践するのは、
やはり一人ひとりの家庭なんです。
そうすると、正食協会では華々しいことは何もやっていないように見えますが、
実はものすごい革命を起こしているんです。
年間で少なくとも千人以上の人たちが、
料理を学ぶことで、個人的にみな革命をやっています。(略)

波多野(略)「ファッションマクロ」は、それはそれとして、
どういう入り口にせよ、
間口は広くていいと思います。でも、次の段階に入って、
より本気の人たちが今、
正食協会の料理教室に来ているというのは、
必然のことだと思います。(略)
もしかすると、僕たちが病気になって初めて目覚めるのと一緒で、
ネガティブなことが起こって目覚めるのかもしれません。
難はいつでも来ていいぞというところに、
マクロビオティックの真骨頂があると思います。

花井(略)温暖化がもう引き返せないところまできています。(略)
このままでは日本の食料事情はひどい状態になります。
でも、農水省の試算によると、
欧米化した食事では自給率は20%ぐらいですが、
典型的な和食の献立にすると85%ぐらいになります。
ですから、自給率を上げ温暖化を防ぐ対策として、
まず身土不二の食事を家庭で取り組むことが必要なんです。

          *

どうですか? じつに示唆に富んだ話だと思いませんか?
マクロビオティック食養生法とは、ただ、
病気やダイエットの癒しとして実践するだけでなく、
いま家庭や社会を襲っている温暖化や食料自給率といった
解決のパワーを秘めているという、
とてもダイナミックな話なのです。


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2008年2月3日(日)

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