第1945回
83歳・邱永漢さん「不老パワー」の秘密
肺ガン治療の相談に来た70歳の女性が、
帰りしなに「『いのちの手帖』の創刊号は手に入りませんか?」
というのです。
残念ながら創刊号は売り切れなので、
「どうしてですか?」とたずねると、
創刊号に載っていた
邱永漢先生の『金言名句』のエッセイを読みたいんです。
私、HIQのファンで、関根さんのBLOGも知ったのですが、
83歳でも、とても元気に過ごしておられる
邱永漢先生の生き方を理想として、
どうしても見習って生きていきたいので、
『一生書生』という創刊号のエッセイを読みたいんです」
というリクエストがありました。
というわけで、
「一生書生――糖尿病の人は頭を使え」という
創刊号の養生エッセイの再録を、前回から始めたわけですが、
“どんなに年をとっても、 また社会的地位のある人になっても
学生時代の一途な生き方を持ち続けることが大切だ”
という、83歳・邱永漢の元気パワー、
いや不老パワーの秘密が分かる
有難い話です。
まだ読んでいない人は熟読玩味して、
とくに中高年の人は、参考にしてみましょう。
糖尿病の処方は「ガソリンを入れるな」ではなく
「ガソリンの煙を上手に出せ」という、
いかにも知恵者の邱さんらしい逆発想の話の続きです。
*
これに対して私は「糖尿病の人は頭を使え、
頭を使わない人は身体を動かせ」と自分勝手にねじ曲げました。
頭を使う方がエネルギーは消耗する筈で、
エネルギーがより消耗すれば、より効果がある筈です。
私は頭もよく使うし、3日に一度は飛行機に乗っているので、
ますます遠くなる飛行機の乗場にもめげず、
せっせと歩いています。
そして、食事は節食などせず、
ただ最後のご飯だけ全く食べないか、
一口だけですませています。
そうした結果、朝の空腹時の血糖値は
お医者の要求にあった結果になっています。
但し、江部先生は空腹時だけでなく、
満腹時の血糖値にも注意すべきだと言っていますが、
澱粉抜きについては私には身に覚えのあることなので、
糖質制限食が何をもたらすかについてはリクツ抜きに賛成です。
糖尿でお悩みの方はぜひこの本をご一読下さい。
この本には糖質抜きの献立が写真入りで載っていますが、
もう少し乱暴な食べ方をしても
「糖尿病は劇的に改善」するはずです。
もうひとつ、血糖値が気になる人に耳寄りな本があります。
上海に来ていた、糖尿病の漢方の大家、
種連進院長と久しぶりにお会いしましたが、
漢方で「愈消散」という処方を発表した種連進先生が
スタンフォード大学医学部に招聘されて
共同研究をはじめてから12年の歳月がたちます。
*
どうです? 邱さんが83歳にして、
いかに心身のバランスを上手く図っているか?
いかに「不老パワー」を持続しているか?
その所以がよく分かりますね。
この創刊号の「一生書生――糖尿病の人は頭を使え」は
もう少し続きます。
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