元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1899回
ガン治療は「引き分け」を狙おう

ガンには「切らない選択肢」もあるという話の続きです。
僕は食道ガンの手術を拒否して、
この9年間、幸運にも生き延びてしまったのですが、
「関根さんの選択は大正解です」といってくれたのは、
キャンサーフリートピアという、日本で始めて
ガンの相談所、
セカンドオピニオンの診療所を開いた土屋繁裕医師でした。

ご存知の方も多いでしょうが、
敬愛する故・土屋繁裕医師は、
癌研病院で700人近い患者の
肺ガンや食道ガン、胃ガン、大腸ガンの手術をこなしてきた
いわゆるブラックジャックの名外科医ですが、
その経験から、
「手術好きの医師に騙されるな」
「手術好きの医師のドクハラに注意せよ」
そして「切られ損の手術もあるから慎重に」
「ガン治療は引き分けを狙え」
と手術妄信主義に警告を鳴らした、
患者サイドにたった、貴重なガン治療のベテランでした。
残念なことに、49歳の若さで
過労の為に3年前に亡くなってしまったのですが、
僕は、これまでスワッ! ガン再発かと思われるような危機に合うと
必ず、土屋先生が残した言葉を思い出して、
治療法については、あわてずに、じっくり、ゆっくりと
考えるようにしてきました。

この3ヶ月ほど前に、血液検査と内視鏡検査の結果、
胃に潰瘍がある、早期胃ガンの原発ではないか?
手術した方がよいといわれたのですが、
このときも手術を拒否して、まえにも書きましたような、
食事や漢方を組み合わせた温和養生法を続けたところ、
マーカー値も正常に戻り、潰瘍も消えてしまったのです。
もちろん、僕の体内にはガン細胞が潜在していますから、
これですべて安心だ、完治したなどと
「愚かしい」ことは断言しませんが、
ガンが侵食しにくい体質を作って、
ガンと上手に共生していければよい・・・
と考えているわけです。

ま、あまり患者の僕が
勝手な話をしても信用できないと思いますが、
ガンの名医・土屋繁裕医師は「ガン治療入門」(NTT出版)
という本の中で
次のようにアドバイスしています。
「●再発ガンの治療に対する考えかた――、
原発ガンの治療では、患者さんの負担にもよりますが。
できるならガンを完全にゼロにする方法を優先すべきと考えます。
しかし、再発ガンの場合はこの原則は当てはまりません。
それと「早期発見早期治療」の原則も当てはまりません。
つまり再発ガンの場合は、
「焦らず、慌てず、諦めないで、がんばり過ぎない」
これが大原則です。
(略)つまり再発ガンの治療では、
一本勝ちは狙わないで、引き分けを狙うべきなのです」と。

また、「ガンというとどこでも切れ切れといわれるでしょうが、
お腹を開いてみたら、ガンがなかった・・・。
そうした、
『切られ損の手術』なんて、
たくさん症例があります」
とも語っていました。

つまり、誰しもがガン遺伝子を持っているわけですし、
僕のように一度かかってしまえば、
いかに潜伏するガン細胞と折り合っていくか?
暴れださないようになだめていくか?
一歩一歩、仲良く共生していく考え方が大切だと思うのです。
というわけで、ガン細胞も正常細胞も叩き潰す、
化学薬や、大きな臓器摘出による
体のダメージを増す手術は避ける、
専門的にいえば「臓器保存治療」を出来る限り、
続けていきたいと考えているわけです

「関根さん、あいかわらず悪運が強いですね。
こんども、うまくガンと折り合いましたね。
『切られ損』や『切り捨て御免』
に騙されないように長生きしてください。
ガン治療は『引き分け』でいきましょう。」と
土屋先生が、いつも見守ってくれているような気がしています。


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2007年11月8日(木)

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