元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1819回
患者は「機械ロボット」にあらず!

まえに、僕が経鼻内視鏡検査を受けたという話を書きました。
たしかに、医療機器の進歩は目覚しく、
直径1センチの管が5.9ミリと半分になり、
鼻から入れられるので、喉を通す不快感はなく
以前に比べれば「快通」でした。

僕は、喉の神経を圧迫する不快感のほかに、
麻酔薬、ルゴール液などの普段、腹に入れない
化学薬を腹いっぱい注入される、
また、医師は決まって食道のみならず、
胃も十二指腸も奥深く探索し、ちょっと血が出ていたりすると、
ガリガリと細胞をむしりとるので、
検査後の不快感といいますか、不調感が堪えられないので、
この5年間、頑として「内視鏡検査」は断ってきたわけです。

しかし、鼻からの内視鏡なら楽だというので、
しぶしぶ受けたわけですが、
こんども、10ヶ所ほど、がりがりと細胞を採取されました。
若いときならば、
これくらいの切り傷でも、1日で回復できたのですが、
こんどは1週間経っても痛みとむかつきが取れないのです。
食欲は旺盛でしたが、刺激を与えないように
なるべく豆腐やウドンやおじや風のものを食べていたのですが、
それでも、ぞりぞりとする不快感が取れないのです。
検査後に貰った胃酸を防ぐ薬など効きやしません。
というわけで、かかりつけの近所の医師に頼んで、
ブスコパンなどの痛み止めを貰ってやっとおさまったのです。

別に、検査をしてくれた医師を恨むことはありませんが、
いまのガン治療では、過剰検査は常識なわけです。
ま、患者はなんとしても助かりたいわけですから、
最初のうちは、病院のいいなりになって、
苦しい検査でも、無謀と思える手術も
「先生、助けてください」
とばかりに、積極的に受けるわけですが、
僕のように、手術は拒否する――、
強い抗ガン剤も、放射線も拒否する――、
おまけに、ガンはあわてなくてもじっくり養生を組み合わせれば、
副作用や合併症に苦しまないで、
9年も生き延びることが出来るとわかってしまうと、
どうも、今の病院の手術、薬ばかりか、
検査のやりすぎにも疑問を持ってしまうわけです。

いや、自らの治癒力を高めるような自然療法を励行したり、
農薬や化学添加物の入らない食事を心がけている患者は、
とつぜん、強烈な化学麻酔薬や
化学検査液を腹の中に入れられると、
「からだ」そのものが
正直に拒否反応を示してしまうようなのです。

いまの医療点数制度の中では、
病院が薬漬け、検査漬けに走らないと
経営が成り立たなことは分かりますが、
問題はそこにとどまりません。
昔の赤ひげ医者のように、触診、問診、望診で、病気を診たり、
治療計画を立てる
人間本来の医教育を受けていない医師ばかりですから、
要するに「検査数値」を見ないと、患者の診断が出来ない。
いや機械に頼ってばかりいるから「患者は壊れた機械である」、
いわば「ロボット修理治療」しかできなくなってしまったのです。
「機械偏重の治療」に、ガン治療の問題点があるのです。

ですから、
今度もつくづく過剰な手術や薬の弊害はもちろんですが、
過剰な検査も考えモノだと思いました。
よくガン患者は「ガンそのものではなく
抗ガン剤や放射線などの強烈な治療でいのちを落す」
といわれますが、
過剰な検査が、ますます患者の体調を狂わせるのではないか?
僕はそう思っています。
僕の主治医の帯津良一先生が
「患者の寂しさがわかる医師」が必要だといわれていますが、
現実のどの病院も、
どっぷりと「機械偏重医療制度」に毒されていることになります。
ガンそのものだけでなく、この医療制度とも
慎重に付き合っていかないと、せっかくの命を落しかねない――、
患者は「自分が主治医」
という強い意志を持たなければならないと改めて思ったわけです。

ところが、こんどは、厚生労働省が来年、2008年から、
健康診断を「義務化」すると決めたというのです。


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2007年8月20日(月)

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