第1806回
ガン検査の長所短所
ガンの患者なら誰しもが、
再発転移の不安を抱いています。
転移すると、大抵の大学病院では、
より強い抗ガン剤を投与しまくって、
薬がなくなると、「余命半年です。
緩和治療を覚悟してください」と引導を渡すわけですから、
やはり、再発の前にしても後にしても、
「からだを冷やさない」養生法を組み合わせ、
心身の免疫力を挙げる工夫を凝らして、
人生を自然に全うする――、
これが本来の人間らしい「いのちの処世学」ではないでしょうか?
少なくとも、僕はそう願っています。
ですから、繰り返しますが、
早期検査、早期発見は
原発ガンの初期治療には通用するでしょうが、
ガンの患者が、長い闘病の中で、
年になんどもなんども苦しい検査を受けたからといって
命が助かる保障は少ないものです。
また、化学劇薬を飲まずに済むのなら
それに越したことはないと、僕は思っています。
検査も、僕が受けた経鼻内視鏡のように
技術的には進化を遂げているものもありますから、
一度、調べてもらおうと思ったら、
よく情報を収集して、自分の納得した範囲で受けましょう。
もちろん、保険の効かない検査も高額の検査もあります。
ちなみに、ガンの検査にはレントゲン検査のほかに
以下のような長短があります。
●腫瘍マーカー検査
血液中のガン特有物質の反応を調べる、
いわば補助診断法。
マーカー値が高いからといって
すぐに大騒ぎすることはありません。
腫瘍マーカーとはガン細胞の目印【マーカー】になる物質のこと。
ガン細胞ができると血液や排泄物に、
糖たんぱく質やホルモン、酵素などの特有の物質が現れる。
その物質がガンの発生部位によって異なるために
血液の分析をすることで、
ガンの部位や有無を推測できるというもの。
●内視鏡検査(ファイバースコープ)
消化器系「がん」の検査方法で、最近は、前回紹介したように
経口内視鏡のほかに、経鼻内視鏡があります。
●CT検査
レントゲン検査では難しい細かい情報を得ることができます。
肺などの胸部や肝臓・膵臓などの腹部の検査に適しています。
●超音波(エコー)
検査超音波を利用して内部臓器を調べる検査です。
●MR検査
体の断層撮影を撮って、さらに細かな検査することができます。
X線やCT検査で見えにくい複雑な臓器に適しています。
●PET検査
日本語ではポジトロン断層撮影法と呼ばれ、
レントゲンのように撮影画像で病巣や病状を診断する方法。
PETの原理はガン細胞などが正常細胞に比べて、
エネルギー源であるブドウ糖を
3〜8倍も多く消費する性質を利用しています。
より小さなガンやリンパ節への転移なども
発見することができます。
ドック(健康診断)の場合は保険が利きませんが、
一部の疾患の診断に限って、
保険が適用されるようになりました。
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