元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1605回
大人の「遊育」「魂育」が大切だ

ひらひら! どきどき!の感動体験が
いかに大切かという話を書いてきました。
ビジネス、経営や新製品開発のアイデアばかりか、
自らの健康=いのちの再生にも大事な気づきとなって、
いくら時間をかけても、
他の人が思いつかないようなことを考えつく、
そして、具現化できるというわけです。

これからの情報過多時代はモノやマニュアルに頼るだけでなく、
とくに心や魂の発揚が大切です。
ビジネスはもちろん、日々の健康にも
「ひらめき」や「ときめき」の体験を大切にしましょう。

このコラムでは、ガン治療に関して、
「患者は壊れた機械ではない」
「機械修理のようなガン治療はもう古い」と、
機械論から全体論へ――、
つまりホリスティックな発想法について提案してきましたが、
コンピュータ社会、インターネット社会が進めば進むほど、
人間には、物質性や身体性だけでなく、
心や魂、つまり、精神性や霊性といったスピリチャルな鍛錬が
必要になってきます。

いま社会問題になっている、青少年のいじめや自殺、
また親子の家庭内暴力、家庭内殺人といった
殺伐とした状況を解決するためにも、
ホリスティックな教育発想が見直されなければなりません。
いくら、役人が教育基本法をつくり、食育基本法を作って、
モノやマニュアルの仕組みを強化しても、
それだけではとても解決しません。
それどころか、社会を「機械化・管理化」で規制していくことは、
ますます、いじめや家庭内暴力を複雑化させる
結果しかもたらさないでしょう。

まえに、教育界でも「アニマシオン=魂育」の見直しが、
徐々に始っているという話を書きました。
より人間らしい「ひらめき」や
「ときめき」を大切にする教育法です。
早稲田大学の増山均教授らは
こうした発想を「遊育」と命名しているようです。
遊びを育てる、遊びによって育てられるという意味だそうです。

人間らしく育つためには、
体と心と頭の全体がイキイキと自由闊達に動くことが必要です。
もの作り、遊びの中で心と魂がドキドキし、
イキイキと輝くことが大切。
遊びとは、そのドキドキ、ひらひらした感覚であり、
意欲や創造的エネルギーの根源というわけです。

小学校から高学年に行け行くほど
知的に興奮する「遊び」が必要なはずです。
芸術や人類の創造性の軌跡を
ふんだんに楽しめるはずの「世界史」が
受験勉強のために必須科目から、公然と?はずされるという
異常事態が教育の現場で起こりました。

役人や政治家はもちろん、医師も教師も両親も
「遊び」や「感動」を抑圧して、
“一億総マニュアル化”に走った結果が、
いじめ社会、格差社会をもたらたわけでしょう。
これからは、大人が「魂の遊び」を大切に考え、
まずは、日々の生活の中で実践する時代でしょう。
「次世代育成支援」「少子化対策」をどうするか?などと、
ただ、しかめっ面で腕組みをするだけでなく、
これだけ成熟した時代ですから、
どきどき、ひらひらを、いかに創造性に結びつけるか?=
心や魂をゆったりと遊ばせるホリスティックな発想が、
あらゆる分野で大切になってきたわけです。
「どきどき」と「ひらひら」について、いまいちど
家族全体で考えて見ましょう。


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2007年1月18日(木)

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