元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1602回
続・中年からのアニマシオン(魂育)

人間は、からだだけでなく、
心も魂も一緒になって成長し、進化しているものだと、
60歳後半を過ぎた爺さんが「負うた孫」に教えられた――、
東西の医学理論が云々などというまでもなく、
これからは「中年からのアニマシオン(魂育)」=
大いに知的好奇心を昂揚させ、
中年からも「魂を進化させる」ことが大切。
この長寿災難時代に
「自分らしく輝いて生きる」ヒントがここにある――
と、「中年からのアニマシオン(魂育)」
のすすめを説いてきましたが、
長寿災難時代を乗り越える魂育といえば、
まえに、このコラムで「40歳からの魂進化論」のすすめを
提案してきたことを覚えている読者もいると思います。

ちなみに、この「40歳を超えた中高年層」から、
人間の魂や霊魂といわれるスピリチャルなものが成長進化する――、
という「成人の発達段階」を説いたのは、
ベルナルド・リーヴェへッド(Bernard Lievegoed)という、
オランダの精神科医、教育者です。
半世紀の臨床診療の結果、
人間の神秘性は生物学的発達だけでは解けないとして、
年齢の各ステージに起こる内部特性を観察し、
「Phases―The Spiritual Rhythms in Adult Life」
(段階―成人期のスピリチャルなリズム)
という著書で分析しました。

これからの時代の処世術に、なかなか役立つ理論ですから、
拙著近刊「ガン延命学新書」の第12則で書き下ろした部分を
抜粋紹介しておきましょう。

 *

第12則 40歳から魂が進化する! 
新しい「いのち学」のかたちとは?

(略)みなさんの中にも「シュタイナー教育」という幼児教育法を
聞いたことがあるかも知れませんが、
これもホリスティックな考え方に基づいています。
ドイツの教育者が提唱した教育メソッドです。
興味深いことは、この「シュタイナー教育」は
アントロポゾフィー(人智学)と呼ばれる思想に基づいて、
「知・情・意」のバランスのとれた
豊かな人間形成を目標としていることです。
人智学などというと、なにやら、オーラだとか、霊魂だとか、
すぐ神秘主義思想を想像したがる人がいるかも知れませんが、
そうばかりではありません。
シュタイナーのホリスティックな教育学とは、
以下のようにより高次元に、論理的に分析されたものです。

人間の構成要素は、眼に見えるのは「物質体」だけでなく、
成長力を生む「生命体」、喜怒哀楽の「感情体」、
意識という「自我体」の4つで出来ているから、
この全体性のつながりを見るという考え方です。
「全体は部分の総和以上のものであると考えあらゆることを
相互関連的に捉えていこうとする
全体論(ホーリズム)思想」だと考えたらよいでしょう。

教育論が、本書の主旨ではありませんので、
詳しくは解説しませんが、この人智学やホーリズムについて、
興味的な研究がひとつあります。
それは、「40歳を超えた中高年層」にも
とても気になる面白い分析です。
「成人期の発達段階」には3つの流れがあるという考え方です。

人智学(anthroposophy)では、
人間は(1)身体 (2)精神 (3)魂・・・
の3層によって構成されていると考えます。
そして、以下のように、成長発達するというのです。
身体(生物学的発達)(2)精神(心理学的発達)は、
ともに、20歳頃ころまでに成長し、
40歳まで平衡状態が続き、40歳ころから衰えていく・・・。
それに引き換え、魂(スピリチャルな発達)は
40歳ころから進化する、成長が始まるというのです。

 *

続きは、また、明日。


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2007年1月15日(月)

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