第1508回
ガンは宿命、癒しは運命
「100人のうち80人は助からない」――、
8年前、この食道ガンの手術の惨い実態を知って、
僕はガン病棟を“脱走”したものの、
ほんとうにこの治療選択でよかったのか?
半信半疑の不安が付きまといました。
手術を拒否した分、
強い抗ガン剤と放射線の腔内照射治療を受けましたので、
6センチのガン腫瘍は消滅したものの、
いわゆる食道壁面が激しくダメージを受けたことも確かでした。
もう手術は受けられませんから、
残された治療は免疫力をアップして、
これ以上、ガンの浸潤を食い止める――、
「ガンに負けない体作り」の療法しかなかったことになります。
というわけで、入院中から服用していた、
天仙液という中国の漢方複合薬とSODという健康食品を併用、
さらに、日々、玄米菜食法を取り入れ、
今日まで体質改善療法を続けてきたわけです。
とにかく、マスメディアの記事などでは、
ガンの生還とは、
最新のガン医術がもたらすものだと書いてありますが、
このコラムでも何度も書いていますように、
ガンはオデキや感染症とは違う病気ですから、
単純に手術や化学劇薬で“完治する”ものではありません。
いわば、突発性の老化病ですから、
たしかに応急的な治療は必要ですが、
なんとしても、全身老化に発展しないように、
からだや血液を酸化させない(サビさせない)
体質改善療法、=日々の養生が大切なのです。
こんな“のんびりした”話をすれば、
ガン病棟の医師からは笑われそうですが、
実際には、300万人というガン生存患者の大半が、
大学病院で行われる通常医療のほかの、
いわゆる代替療法や健康食品、食事などの養生法を併用して、
したたかに生き延びているのです。
ともあれ、僕自身も、はじめのうちは、
手術、抗ガン剤、放射線といった、
大学病院の治療に信頼を置けば、
ガンは治るものだと信じていたわけですが、
やがて「教授は神様」という信仰から目覚めたことになります。
ガン患者は壊れた機械ではない――人間丸ごとを診る
ホリスティックな治療の実践を8年間続けたことになります。
退院後、「ガンは宿命、癒しは運命」(太陽企画出版)という
ガン闘病記を書きましたが、
まさに、退院後は、ガンという宿命的人生が、
帯津良一博士を始め、何人かのホリスティックな医師たちとの
出会いによって、運命が開けてきたわけです。
また、大学病院では笑われそうな話となりますが、
ガンから生還できるかどうかを分けるものは
「運と縁」だということを実感しました。
はっきりって、最初に遭遇した大学病院の主治医は、
別に人柄が悪いわけではなかったのですが、
あまりにも「機械修理業」に忠実なマニュアル医師でしたから、
意味不明の副作用や疼痛に悩む患者から見れば
「冷淡な医師」としか映らなかったのだと思います。
ずばり、医師との相性が悪かった――、
「縁」がなかったのでしょう。
この治療における「運と縁」を見分ける「勘」は、
いまから考えても当たっていたように思います。
同じころ、この主治医を信じて、素直に執刀を受けた
僕の知り合いの食道ガンの患者は、その後も再発転移、
再手術、再々手術を繰り返し、残念にも4年後に亡くなったのです。
まさに「ガンは宿命、癒しは運命」です。
自分の気持ちを偽らない治療選択の「勘」を大事にすることが、
「ガン延命法」の知られざるポイントだと、僕は思っています。
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