第1472回
子宮ガン、乳ガンを漢方で克服して
「いのちの手帖」第2号では、
多くのキャンサー・サバイバー(ガン生還患者)の方たちから
「いのちを掴む」ために綴った渾身のメッセージを
【特集1 元気を貰った あの一言】
【特集2 いま家族でときめいて】
【闘病記 ガンはあきらめない】
といった読みやすい、エッセイ大特集の形式でお届けしています。
南は九州、四国から北は東北まで、
患者のみなさん、ご家族の方々、
全国各地からたくさんの寄稿をいただいていますが、
世界の各地からも、貴重なエッセイをいただきました。
まえに、知日派のフランス人・エッセイストA・キャラビさんの
エスプリの利いた日仏対訳の処世小話集のさわりを
紹介させていただきましたが、
カリフォルニア在住で、乳ガン、子宮ガンからの
キャンサー・サバイバーのイディス・シーさんの闘病エッセイは、
ただの体験記だけでなく、
ガンと上手に付き合う「5つの知恵」といった
患者だから考え付く、
まさにスローヘルスな知恵が開陳されていますので、
ぜひ、みなさんに読んでいただきたいと思います。
その一部を紹介します。
*
「《子宮ガン、乳ガン・・・2度のガンを漢方で克服して
イディス・シー》
なぜ、私がガンに? 検査の結果を聞いた時は、
いきなり雷が落ちたようなショックを受けました。
1997年10月、子宮ガンと宣告されたのです。
台湾に夫を残し、
子どもの教育のためにアメリカに渡った頃のことでした。
さらに驚かされたのは、病院の医師が
「患者を壊れた機械のように扱う」冷徹な態度でした。
そこで、医師の言うことを鵜呑みにしないで、
自分で納得のいく治療を選ぼうと思い立ち、
決心したのが子宮頸部円錐切除術という部分切除手術でした。
どうしても、子宮という女性の機能を
なくしてしまうことは避けたかったからです。
あとで医師から「再発や転移を防ぐために何年かしたら
子宮も卵巣も取ってしまった方が安全だ」と言われましたが、
子宮は絶対に残そうと決心しました(略)。
さて、数奇な経験から、私なりに5つの大切なことを学びました。
(1)治療法を選ぶときには、なるべく漢方など
全身へのダメージが少ないものも併用した方が良い(略)。
(2)なるべく規則正しい生活を送ること(略)。
(3)食事に気をつけること(略)。
(4)自分のこころを柔軟にすること(略)。
(5)家族との絆が大切にすること(略)
ガンと宣告されても、医師から匙を投げられても
悲観することはありません。
いま、子宮頸ガン、乳ガンと闘う日々を思い出すと、
私の場合、恵まれた運の良いケースだったと思います。
疼痛、炎症、再発・・・、なんども苦境に立たされましたが、
わが身を見直す絶好な機会ができたからです。
あれから10年、これまでもつらいことはたくさんありました。
しかし、おかげ様で、
いまは国際的な福祉事業にも励んでおります(略)。」
*
いのちの体験録といいますと、
大半のメディアが「ガン宣告即=死」を強調したがり、
また、お涙頂戴式の同情ドラマに仕立て上げたがるものですから、
どうしても、現実の患者のみなさん、
ご家族のみなさんの気持ちとは
かけ離れているケースが多いものなのですね。
ですから、この雑誌に収録された一つ一つの闘病録の行間には、
いのちの危機を乗り越えた方々だから知り得る
しなやかな人生の知恵がたくさん詰まっております。
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