第1464回
続・白血病を乗り越えて
2年間に渡る白血病との闘いを乗り越えた、
日本CI協会の前専務理事・花井陽光さんから届いたメールの
抜粋紹介の続きです。
*
「骨髄移殖とはドナー(骨髄移植の提供者)から頂いた
800CCもの骨髄液を、12時間かけて、
点滴によって体内に入れて終了します。
無記名かつ無償で、しかも会社まで休んで、
体を張って提供していただいた
見ず知らずのお相手に、
今まで味わったことのない驚きと感謝で手を合わせました。
ほんとうに有難いことです。
他人のために人生の一部を提供することなど
今までは考えられませんでした。
さて、骨髄移植は輸血の手順と同じで、
決して骨に穴を開けたりはしません。
問題は移植後の体内変化に体がついていけるか、
そして移植後の再発の可能性でした。
白血病に冒された旧来の骨髄は、
白血球をゼロにする致死量を超えた抗ガン剤で消失し、
その間隙を縫ってドナーの骨髄を入れて生着させるわけです。
生着は成功しましたが、
しばらくの間は意識障害に伴う幻覚や、
発熱、尿や便の失禁、
水も飲めなくなるほどの強力な口内炎、心筋梗塞を
誘発しかねない頻脈の発生等さまざまな症状が現れました。
口内炎で唾液が糸を引くほど粘りはじめ、
痰状の異物がひっきりなしに出てきました。
口の中は喉や舌、口腔内・・・、
全てが痛みをともなって腫れあがりました。
当時は、声も出せず話も出来ず
水も食べ物も食べられませんでした。
しかし、この症状も時間と共に回復し、
体力気力共に充実してきましたので、
こうしてメールで報告できるわけです。
本当に感謝、感謝の気持ちでいっぱいです。
手を合わせております。
ドナーの骨髄が100%転換したためか
驚くほどの回復力です。【略】
この方や団体のみなさんの
貴重な精神に答えるためにも何とか生き延びて、
社会的行為でお返したいと、
いま希望と勇気を与えられております。
それにしても人生は不可解、何が起きるか分かりません。
勇気と希望をもって前に進みます」
*
2年間の苦闘の末に白血病から生還を果たした花井さんの
朗報メールは、まだまだ続くのですが、
この詳細は「いのちの手帖」第2号を読んでください。
いま花井さんは、久しぶりに
実家のお母さんと仲むつまじく過ごし、
毎日、3000歩の散歩もして、リハビリに励んでいます。
ただ慢性のGVHD
(移植片対宿主病Graft Versus Host Disease)の発症が
不安材料といわれます。
油断は禁物ですが、メールを読む限り、
花井さんの「生命の躍動力」というか、
回復へのパワーはとても前向きで、
僕としては一安心しています。
この2年間、花井陽光さんからは
「ガンはあきらめてはいけない」という金言を
眼前で学ばせていただいたことになります。
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