元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1406回
続・ガン常識のウソ

この梅雨時の天候不順、冷暖房環境の弊害で、
具合の悪くなる患者さんは増えています。
僕の周りにも、何人か再発転移の不安に
おののいている方がおられます。

前回、「余命3ヶ月」と患者を突き放す医師の考え方こそ、
これからのガン治療の「常識のウソ」になる・・・と指摘しました。
また、ガンの再発転移を宣告されると
これも救う手立てなしとして、
多くの患者と家族を落胆させてきたわけですが、
これも「患者と家族の考え方次第で変えられる」
いや「『常識のウソ』と変えられるようになった」と、
僕たちは思っています。

最新薬の治療を受けるだけでなく、
食事、気功といった日常の養生法を積み重ね、
さらに、患者の希望観をいかに高めるかといった処世観・・・
この3つを統合するホリスティックな患者学で、
再発転移もクリアしていくことが出来る時代になってきました。
これぞスローヘルス患者学の基本です。

よく、マスコミで喧伝される「この新薬でガンが完治する」
「いや、それはまやかし商法」だという
氾濫・錯綜するガン情報にまどわされないためにも、
これからは、自らの心身のサイズにあった患者学を心得ましょう。
さすれば、さらに1年、3年、5年と、「元気で長生き」できる
可能性が開ける時代になってきたと思います。

6月17日の市民講座でも、1年、3年、5年、10年、15年と、
スローヘルスな患者学で延命してきた
キャンサーサバイバーの方たちからの貴重な発言がありました。
肺ガンから脳転移して15年、
小澤恵子さんは、脳のγナイフ治療に、
ハイパーサーミア(温熱療法)を組み合わせてクリアし、
さらに玄米菜食や気功、
そして最近では玉川温泉の温泉療法にも挑戦して、
「長生き」の工夫を編み出したそうです。
再発転移は助からないという『常識のウソ』を覆して、
もう10年以上にもなっていますので僕はいつも感心しております。
まさに15年間、ガンに学び、
ガン共に人生を創りあげた人でしょう。

また、元週刊金曜日の社長である黒川宣之さんは、
10年間に、前立腺ガン、大腸ガン、胃ガンと
3つのガンを体験した多発ガンの患者さんですが、
これは再発転移ではなく、それぞれに原発があって、
発生するタイプのものです。
その都度、最新の治療を求めて、
手術や内視鏡手術で乗り越えてきいたようですが、
10年前の前立腺ガンのときには、
もちろん、いまのようにブラキセラピーという放射線治療は
解禁されていませんから、手術でいろいろ苦労したそうです。
そうした長い長いガンとの共生の中で得た教訓を
披露しておりました。
「ガンの治療も、年々、改良されているから、
ガンは、出来るならなるべく遅くかかることにこしたことはない。
いや、少しでの長生きしようと努力していれば、
新しい治療にめぐり合う可能性がある」と。

おふたりの話を聞いているだけで、
「余命3ヶ月」や「再発転移に打つ手なし」という
医師や病院の話が「常識がウソ」だと分かってくると思います。
大学病院の医師などからは聞けない、まさに患者学の真実です。
ちなみに、ガンほど個人差、症状差、年齢差のある
ミステリアスな病気はありませんから、
機械修理のような治療では上手くいかないことはもちろん、
患者それぞれののしっかりとした処世観、
希望観が大いに左右するわけです。
一人一人がスローヘルス患者学を持って、
これまでマニュアル風に語られてきた
「ガン常識のウソ」を、ひとつひとつ覆していくことが、
大切になってきたと思っています。


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2006年7月3日(月)

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