第1330回
スローヘルスと【ロハス】
スローヘルス患者学入門の続きです。
スローヘルスとは、元気に長生き、ときめいて生きる
――を目標にした、
ま、端的にいえば、じっくり健康法、
ゆったり処世法と考えて下さいと申し上げてきました。
これは、僕たちガン患者と担ガン者ジャーナリストたちが集まって、
1999年に発案した自己養生法の造語です。
しかし、別に難病を抱えた人たちだけでなく、
いまや、患者の家族や予防治療を真剣に考える人たちの間に、
じわじわと広がっております。
ちなみに、スロー思考といえば、
いまや、大量生産、大量消費社会が便利・豊かさを
もたらす一方で、環境汚染を撒き散らす
大量自然破壊社会をもたらしたわけで、
ファーストではなく、スローを見直す考え方が
世界的に浸透してきました。
産業構造の変革を訴えるだけでなく、
自分らしい自己啓発に関心を寄せる人々が増えてきたわけです。
スローはいまや、自然志向ライフスタイルの枕詞のように
あちらこちらで使われるようになりました。
スローには以下のような有名なキーワードがあります。
ご存知のように【スローフード】とは、
ファスト・フードの脅威との対比で
考え出された自然の恵みや郷土料理を
大事にしようという食の運動。
1986年、スローフード協会は
イタリア北部、ピエモンテ州の小さな町ブラで始まりました。
そして、この考え方を衣食住の生活のライフスタイルに拡げて、
自分のペースで自分らしく、豊かに築こうという人たちが増え、
これが【スローライフ】と呼ばれたわけです。
この他、「もったいない」精神を提唱する【スローオフィス】、
地場産品や省エネ製品を扱う
【スローグッズ】【スロービジネス】・・・、
個人の生き方としてだけでなく、
新しい商魂=ビジネススタイルとしても持て囃されているわけです。
そして、こうしたスロースタイルをまとめたキーワードとして、
いま、若者や女性の間で広まっているのが
【ロハス】という考え方でしょう。
ご存知の方もいるでしょうが、ロハスとは、
Lifestyles of Health and Sutainability
の頭文字をとった略語で、
“からだ”と“こころ”と“地球環境”
を考えたライフスタイル――といった意味です。
1998年にアメリカの社会学者のポール・レイ氏と
シェリー・アンダーソン氏が考え出した文化創造の概念です。
いまアメリカでは5000万人以上の人に支持されているといいますが、
日本でも、いわゆる、セレブな癒し思考として、
自然健康雑誌や女性雑誌が盛んに取り上げ、
とくに20代、30代、40代の女性に人気を集めているようです。
先日も、スローヘルス研究会の仲間であり、
地元でマクロビオティック料理教室や
アロマテラピー講座を開いたり、
いろいろとスローなイベントを開催している
岩手・東山の食生活アドバイザー・
鈴木美感子さんから、
「夏には、ロハスなイベントを計画しています。
ディジュリドゥというオーストラリアの
風笛の演奏会です」
といったメールを貰いました。
また、鈴木さんと仲良しの女優・宮崎ますみさんのメールにも
「今日はロハス・メディカルのチェックが下がっていました」などと
メールをいただいて、なるほど、なるほど、
ロハスの浸透力は大したものだ感心しているわけです。
たしかに、ロハスや スローライフは、僕たちの提唱する
「スローヘルス」に近い発想法ですが、
もう少し、深い意味合いを持っていると思ってください。
この続きは、また明日、書きましょう。
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