元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1328回
「いのちの手帖」の読み方

季刊「いのちの手帖」創刊号の巻頭言を書かれた
ホリスティック医学の権威・帯津良一博士は
「これからは“いのちの時代”だ。“攻める養生の時代”だ」
と言っておられますが、この一冊は、
まさに「元気に長生き、ときめいて生きる」
の知恵いっぱいの手帖です。
1年、3年、5年、10年、15年・・・と
人生最大の危機を乗り越えてきた、
患者さんとご家族の
「いのちの知恵」「攻めの養生法」の知恵袋なのです。

この「健康法」をスローヘルスと命名して、
僕たちは「しなやかな患者学運動」と広げているわけですが、
基本となる医療の考え方は、
帯津良一博士が、長年、提唱してきた
「からだ」「こころ」「いのち」の人間全体のつながりを見る
ホリスティック医学に基づいています。

僕たちが提唱する「スローヘルス患者学」というものは、
まだ学問として確立してはいませんが、
僕の個人的見解ですが、基本原理は、目に見える世界の事象と、
目に見えない世界の事象の全体のつながりを考える、
メタフィジックス(metaphysic)=
「いのちの形而上哲学」(超物理学といってもよい)
にあると考えています。
これは、古くはアリストテレスに始まり、
近来、見直されているユングの心理学や
アンリ・ベルグソンの哲学で分析されている
宇宙から細胞までに脈々と流れる
「生命の躍動」(Elanvitalエランヴィタール)
を重視する考え方です。

帯津良一博士が提唱する「ホリスティック医学」の基盤も
ここにあるわけで、まえにも紹介しましたが、
「これからの医療は、
 ただエビデンス(証明性)だけを基準にするのではなく、
 それぞれの心身に宿る“生命の躍動”を重視する、
 哲学者アンリ・ベルグソンの思想に着目する時代です。
 養生とは死ぬことが分かっても一所懸命にやるものなのです」
と述べる所以がここにあります。

「いのちの手帖」には、
患者さんやご家族のほんとうの闘病体験談が
実名で、いくつも掲載されていますが、
ひとつひとつが、まさに心身に宿る“生命の躍動”の勇気の記録、
実践報告といってもよいと思います。
その結果、執筆者のみなさんが得たものが、
1年、3年、5年、10年、15年にわたる、
ひとりひとりの素晴らしい人生の成果なのです。

ですから「いのちの手帖」には、
なんとしてもいのちを掴もう、
人生の危機を乗り越えようとする・・・、
勇気ある患者と、それを支える家族の方々の
「真実の声」をぎっしりと収録しました。
また、ガン治療法についても、
手術、抗ガン剤、放射線といった通常療法だけでなく、
漢方療法、食事療法、呼吸法、健康食品からホメオパシーまで、
代替療法=非通常療法も取り上げていますが、
ただ「エビデンスがない」とか「信用できない」とか、
短絡的に読み捨てないでください。
そして、読んだみなさんが、
それぞれ、治療法、処世法の是非を決める、
人生最大の選択のときに判断の参考に応用できるかどうか?
ここに「いのちの広場」としてのメディア価値、
「いのちの手帖」の賢い読み方があると思っています。

「スローヘルス患者学」とは、
ちょっと、学問的にいわせてもらえば、
人間丸ごとを診るホリスティック医学、
さらに、いのちのメタフィジックス哲学の実践応用学と
考えてみてください。
それぞれの読者のみなさんが、以下のような人生の実践法として
(1) 養生法
(2) 処世法
(3) 死生法――、
の各分野に応用できる生命科学の一分野が
「スローヘルス患者学」だと、僕は考えています。


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2006年4月16日(日)

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