第908回
継続は力なり
ちょっと、「総合週刊誌の凋落」
についての話が長くなりましたが、
月刊誌「編集会議」でしゃべった結論といいますか、
“商売の鉄則”といったことについて
僕なりの考え方を書いておきたいと思います。
*
(略)
市場を開拓していこうという中に、
スクープやスキャンダルは潜んでいる。
これこそが週刊誌の新商品です。
しかし往々にして経営者サイドは、
スクープ・スキャンダルなしの雑誌を作ろうとする。
それでは週刊誌の意味がないのです。
情報カタログ式のメディアを目指すならば、
インターネットの中にも
ごろごろ無料でころがっています。
無代誌で十分でしょう。
それならいっそのことやめたほうが早い。
今後の週刊誌のあり方を考えた場合、
先にも書いたとおり、
“連載ミステリー”的な発想で
立て直さなければいけないでしょう。(略)
粘って粘って、一つの問題に取り組み、
連弾スクープを続けていればいずれ、
読者にも強い印象を与えることが
出来るようになるのです。
ちなみに、週刊誌がそもそも持っている
“連続性“”連載性“といったものを、
小説や漫画で補っていると
マンネリの枠に閉じ込めてはいけない。
週刊誌というメディア形態だからこそ、
「スクープの連弾こそ飯の種」
「スクープこそ最強の連載小説」
「スクープこそ次週も読みたくなる同時進行ドラマ」
と考えたら、
スタッフの士気が上がるばかりか、
読者の期待も高まるでしょう。(略)
*
以上が、僕が月刊「編集会議」にしゃべった
週刊誌ビジネスへの苦言と期待の一部ですが、
どの業種でもビジネスの起死回生策は同じでしょう。
「継続は力なり」、
そして「失敗は成功の母」「ピンチはチャンス」・・・
「商売の原則」を忘れた業種に明日はありません。
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