第839回
放射線の副作用(2)[口腔、頸部][肺、従隔][月経]
「放射線の副作用」の話の続きです。
[口腔、頸部の症状]
頭部や頸部への放射線照射は、
唾液腺が分泌する
唾液の量を減少させます。
この症状は治療開始1週間以内に始まり、
治療終了時にピークに達します。
終了後も数週間から数ヶ月間続くこともあり、
患者さんによっては
唾液分泌の減少と口の渇きが
一生続くこともあるので、
最悪の事態を避けるためにも
事前に医師から予防法を聞いておくことが重要です。
薬物による治療としては、
フッ素入りうがい薬や
人口唾液の服用があります。
食事は柔らかくて、
口当たりのよい食品をとり、
頻繁に水分を補給します。
[肺、従隔の症状]
食道に放射線をかけると、
食道炎の症状である飲みにくさ、
飲み込むときの痛みが出ることがありますが、
治療終了後2〜4週間で改善します。
また、低い頻度で放射線肺臓炎により
咳や発熱、息切れが出ることがあります。
放射線肺臓炎は治療中ばかりでなく、
治療が終了して1〜3ヶ月後に出ることもあります。
食事前に鎮痛剤を服用して
痛みを和らげ、
冷湿布を喉に当て、
氷の小片、棒つき飴などをなめて嚥下を刺激し、
唾液を増やすと食事を取りやすくなります。
[月経周期の変化]
骨盤に放射線を照射すると、
活発に細胞分裂している
卵巣細胞が刺激を受け、
月経周期が変化することがあります。
卵巣へ放射線を照射すると、
月経が一時的に止まるだけでなく、
閉経に至る場合もあります。
化学療法時に起こる副作用と
同じ症状としては、
悪心、嘔吐、感染、下痢、倦怠感
出血、食欲不振、貧血、脱毛などがあります。
では、患者がこうした治療の障害を乗り越えて、
QOL(いのちの質)の高い治療を選ぶにはどうすべきか?
詳しくは、すでに大手書店では発売中の
新刊「帯津良一のがんに打ち克つ〈いのちの手帖〉」
(帯津良一・監修 関根進・著 二見書房)を読んで
ぜひ、ホリスティック(全人的)で、
スローヘルス(しなやかな)発想法を
身につけてください。
|