第717回
中国民族に染み付いた風水の知恵
ラジウム泉が放射する
マイナスイオンの気をたっぷりと
吸い取ったせいでしょうか、
僕たち夫婦の台湾温泉旅行は、
理屈だけではない
風水学の実用現場を体感する旅となりました。
とくに地元の風水師・楚皇大師が、
自ら案内してくれたのですが、
台北市内の龍山寺、行天宮という寺院にも参りました。
炎天下にもかかわらず列を成す、
地元の人たちの姿を見て、
その信心の深さに改めて感動しました。
事業運、金運から子育て運まで、
未来の運勢好転に祈りを込めてお経を詠い、
お線香を炊いておりました。
その熱心さ、こだわりからいえば、
日本の神社仏閣に集う参詣者以上のものでしょう。
もちろん、この二つの寺院は、
台湾の中央山脈・玉山
(昔の新高山・海抜3952m)から流れる地気流が、
台北のこの地に及んで、
「龍穴」=よい気の集まるところを成しているそうです。
台湾の人たちは、
昔から伝わる、この風水陰陽の威力を知って、
わが身に好転運気を取り入れようと、
日々、願掛けや改運を祈っているのでしょう。
政治体制やイデオロギーを云々する以前に、
中国民族に染み付いた
「自然と人間」の共存哲学=風水陰陽の発想法を
もう少し見直すべきではないか?
この旅で、僕は改めて実感しました。
香港の人たち、世界に広がる多くの華僑たち、さらに
富国中国に挑戦する
中国大陸の経営者や事業家たちとて同じでしょう。
香港にも有名な風水戦争の話がたくさんあります。
香港返還後、大陸系資本の中国銀行が
ガラス張り70階の高層ビルを建て、
向かいの英国系資本の香港上海銀行に、
刃物のような尖角ビルを向けたのは、
商売仇に凶運を与えるという、
風水の発想から編み出されたものでした。
この有名な金融風水戦争を
最初に仕掛けたのは香港上海銀行でした。
鉄骨むき出しのビルを建てて、
旧中国銀行の建物を
封殺しようとしたことから端を発したのですが、
中国、香港、台湾の風水経済戦争も
日本人が予想する以上に、
根の深いものなのですね。
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