第670回
桃源郷目前でイスラム暴動発生!
たしかに、
僕たちがパキスタン北部へ行く前に、
二つの危ない事件が起こっていました。
ひとつはインダス川の崖っぷち、
いわゆるカラコルム街道(ハイウエー)で、
バスの頭上から大きな岩が転がり落ちてきて、
70歳過ぎの女性が亡くなったという事件です。
ま、行ってみて分かったのですが、
日本の高速道路のように、
コンクリートなどで、
岩石崖を土留めしてあるわけではありませんから、
大雨でも来れば大きな岩が頭上にいつでも転がり落ちてくる、
まさに自然のままの道路が
カラコルム・ハイウエーなわけです。
また、出発の1週間まえには、
パキスタン南部の大都市・カラチで、
イスラム教スンニ派の宗教指導者・
シャムザイ師が暗殺されたという、
不穏な事件も起きていました。
「うん、これじゃ、ツアーも中止かな?」
と妻と話していたのですが、
どうも日本の常識とイスラムの常識は
大きな隔たりがあるようで、
ともあれ、何事もなかったように
平穏のうちに?
総勢15名の『桃源郷・フンザ』への旅は始まったのです。
さて、旅程は以下のようなもので、
■ 6月4日 北京→イスラマバード→ラワルピンディ
■ 6月5日 ラワルピンディ→べシャム→チラス
■ 6月6日 チラス→ギルギット→フンザ
時速150キロでぶっ飛ばして、
蛇のようにうねるカラコルムハイウエーを快調に
バスで北上したのですが、
やはり3日目に事件に遭遇したのです。
僕たちのツアーがチラスという町の
その名も「シャングリラ」(桃源郷)という
ホテルに着いたとき、
どうやら目指すフンザの最大都市・キルギットで
イスラム教徒の内紛暴動が起こったという
最悪のニュースが飛び込んできました。
カラコルム・ハイウエーは
パキスタン軍によってバリケード(軍事非常線)が張られ、
フンザへの通行は出来ないというのです。
さて、困りました。
|
いよいよカラコルム・ハイウエー2000キロの旅に出発! |
|