第574回
続・自学自習のすすめ
マクロビオティック食養生法を編み出し、
日本ばかりか欧米にまで普及させた
桜沢如一さんという人の人柄・業績については、
食事療法に関心のある読者なら
よく知っていると思いますが、
経歴は以下のようなものです。
「桜沢 如一(さくらざわ ゆきかず)1893〜1966
17歳の頃、肺結核にかかるが、
日本で最初に食養を唱えた
石塚左玄(1896年に「化学的食養長寿論」を著す)
の食養法にならって健康を回復。
京都市立第一商業高校を卒業後、貿易商として活動。
その後、正食(マクロビオティック食養生法)を世界中に宣布。
30歳頃から晩年にいたるまで、
食養指導家・思想家として世界をまたにかけて活躍した」
とにかく、自己の信ずる道を切り開く、
強烈なパワーの持ち主のようです。
その名著のひとつに「東洋医学の哲学」がありますが、
<人類の危機打開、平和・自由・正義を得るには、
「東洋の医学」の根底にある「無双原理」
つまり陰陽哲学の実践にあり>
と述べております。
その中で
最高の判断力は「自学自習」の中から生まれると
強調しています。
「東洋の『自学自習』は
自らの『行』によって発明するコトです。
他人や本や、
いわゆる『虎の巻』『独学案内』
などというものにたよってはダメです。
自らを実地になげこみ、
刻刻身にせまる困難と闘うコトを
楽しみとする心がけがなくてはダメです。
つまり東洋の教育法は冒険です。冒険の連続です」
これは、東洋医学、東洋哲学の特質を
分析してみせたものですが、
大いに患者の処世法、養生法として率先すべき
キーワードだと思いました。
本やインターネットで情報を仕入れるだけでなく、
心身に優しい養生法を一つ一つ積み重ねていく――
前回まで、ガンは自助努力、
つまり自学自習が大切だと書いてきましたが、
東洋独特の修行とまではいかなくても、
己の生き方を再発見するための
「自学自習」の冒険、
そして処世を貪欲に掴みにいく――
この心がけが大切です。
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