第495回
冬の健康!伝統食の知恵を見直そう
風邪や腹痛、冷え性ばかりか、
ガンやアレルギーなどの慢性病を改善するには、
「体を温かくする工夫」が一番という話の続きです。
慢性病は体質的な病気ですが2通りあります。
1つは、老化病、退化病ともいわれる成人病や生活習慣病。
もう1つはアレルギーを含む免疫異常疾患です。
どちらも食生活と関係があり、
とくに高蛋白高脂質の過食が原因ですから、
日常生活で、
自然な食材をバランスよく摂る食事の工夫が
この冬はとくに大切になるわけです。
そのためにはビタミンや薬などで
栄養補給するという発想ではなく、
日本人の体質にあった、
古来からの伝統食の知恵を見直すべきでしょう。
中国、日本には昔から、
バランスのとれた食生活で生命を養う
「食養」の思想がありますので、
その基本は「四字熟語」で覚えておくと忘れません。
(1)医食同源(いしょくどうげん)
(2)五味五色(ごみごしょく)
(3)身土不二(しんどふじ)
(4)一物全食(いちぶつぜんしょく)
(1)は薬食同源ともいい、薬と食べ物は一体という考え方です。
(2)は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん=塩)の5つの味と
青・赤・黄・白・黒の5つの色でバランスよく食べること。
(3)は、その土地のものを食べる
(4)は丸ごと食べる
この食養は、マクロビオティック食養生法にも
摂り入れられており、やはり
(1)自然食物(2)陰陽調和(3)身土不二(4)一物全体食
と4原則が大切だとされています。
さらに、話を「体を温かくする」
食の工夫という話に戻しますと、
古来から大切にされているのが「食性」です。
このコラムでも「体は食べ物が形成するもの」という
マクロビオティックの考え方はいつも述べておりますが、
食性とは食べ物の持つ体への作用のことです。
熱・温・平・涼・寒に分類されますが、
手っ取り早くいえば、
原産地が寒く冬が旬のものや根菜類などは体を温め、
夏が旬のものや葉もの野菜、果物、
精製加工品、化学調味料は体を冷やすというわけです。
ここを見極めて、冬の食生活を工夫することが、
万病に勝つヒケツです。
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