第476回
「東スポ」の連載でドクハラ追及!
いま、夕刊紙「東京スポーツ」で毎日連載しているコラム、
「ガン切らない患者学」
――ドクハラに負けるな! 生還者・関根進の闘い――
の最近号の続きです。
*
よくテレビの闘病記ドラマを見ていると、
末期患者と家族のお涙頂戴式の美談が紹介されます。
またガン指南書を読むと、
ターミナルケア(末期緩和治療)や
サナトリー(死学)といった
「死に際の哲学」が切々と語られます。
しかし、こうした極端な末期ガンの症例ばかりを読みすぎて、
ガン宣告即=死と早合点してはなりません。
ところが、現実のガン病棟では、どうでしょうか?
検査や診断を経て、
大抵の患者がまず問答無用の手術や
抗ガン剤を勧められるシステムになっております。
もちろん、信頼できる医師に巡り合って
自分が納得した治療を受けられれば幸運です。
しかし、執刀医の裏マニュアルには
「患者には知らしむべからず」
「患者は生意気なことをいうな」
と書いてあるのではないかと思いたくなるほど、
治療の説明責任(インフォームドコンセント)が
果たされないのが現実です。
いわゆるドクハラ医師とは
パタナ―イズム、
つまり「医師は父親である。
患者は素直にいうことを聞くべきだ」という
旧い発想から抜け切れないタイプが多いものです。
ですから、僕のようにNO!と突っ張ることも必要ですが、
医師との付き合いは、
ときに応じて柔軟にまいりましょう。
大学病院には、ノルマ経営主義にがんじがらめになって、
キレたり、悩んだりしている
サラリーマン医師もたくさんおりますから、
患者の方が「先生も大変ですね」と
子供を諭す母親のような態度で、
こちらのペースに巻き込む才覚も必要なのです。
ただ、ドクハラに反撃するだけでなく、
“傲慢な父親主義”には“したたかな母親主義”で応じる。
これもスローヘルな賢い患者の心得――
「命を拾う!」キモだと僕は思っています。
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これからは医療ミスやドクハラを嘆くだけでなく、
患者や家族が心を強く持って、
賢い知恵を磨いていかなければなりません。
ちなみに、この連載を掲載している東京スポーツは、
大阪スポーツ、中京スポーツ、九州スポーツの名前で、
全国で発売されていますので、
キヨスクやコンビニで手にしてみて下さい。
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