第449回
「肝臓ガン」の治療ポイント
肝臓ガンの治療ポイントについて、
今回は解説しましょう。
【肝臓ガンの種類】
肝臓ガンには肝臓自体に発生する原発性と、
他の臓器のガンが肝臓に転移してくる転移性の二種類があります。
また、原発性肝臓ガンの発症原因の85%が
肝炎ウイルス(B型・C型)感染ですが、
アルコール依存の人はリスクが高いようです。
●原発性肝臓ガン
・肝細胞ガン――血液濾過を司る肝臓の実質臓器がガン化。
原発性の90%がこのガン。
・胆管細胞ガン――肝臓内の胆管のガン化。
・その他、比較的まれなガンとして
両者の混合ガン、未分化ガン、胆管嚢胞腺ガン、
カルチノイド腫瘍、肝芽腫など。
●転移性肝臓ガン
他に発生したガンが肝臓に転移しやすいのは、
胃や腸など腹腔内の臓器を通過した静脈血が
すべて肝臓に入るからです。
【肝臓ガンの検査】
検査には腫瘍マーカー検査と画像検査。
マーカー検査で重要なのは、
AFP(アルファーフェトプロテイン)などの腫瘍蛋白の測定です。
画像検査には、超音波検査、CT検査、
MRI検査、血管造影検査などがあります。
マーカーや画像で確定ができないときは
腫瘍生検も行われています。
【肝臓ガンの主な治療】 |
I期・II期― |
部分切除か、左右どちらかの葉切除。またはガンに直接のエタノール注入療法や肝動脈塞栓術、局所抗ガン剤療法も。 |
III期―― |
基本的に切除手術なし。エタノール注入療法、肝動脈塞栓術、局所抗ガン剤療法、放射線療法を単独は併用。肝移植の選択肢もある。 |
W期―― |
対処療法、緩和療法。また臨床試験への参加も行われる場合があります。 |
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