第413回
オンコロジストって何?
横行する大学病院のガンの治療ミス、
治療の押し売り、
いや、患者を苦しめるドクハラ治療の元凶のひとつに、
ガン専門医が少ない…これが問題だという話の続きです。
関根 アメリカでは当たり前の腫瘍専門医、
つまりオンコロジストが、
どうして日本では育たないのですか?
土屋 ガンの治療システムについていえば、
アメリカの方が素晴らしいと思います。
しかし、腫瘍専門医になるのは大変なんです。
カリキュラムが違うし、
資格を取得するにも年数も全然違う。
もちろん、腫瘍専門医は収入も違います。
日本の医者は、国家試験を通れば、
外科・内科・小児科・皮膚科などと、
なんでも看板をだせます。
アメリカではそういうことはあり得ません。
ガンの専門医=オンコロジストを作るための
カリキュラムをきちっと作っていく必要があります。
関根 では、大学を卒業して
数年の医師にガンを執刀されたとしても、
臨床経験も少ないうえに、
患者をトータルケアで診ていこうなどという能力も
ないわけですか。
とすれば、前の慈恵医大の患者を死亡させてしまった
手術ミス事件ではありませんが、
ガン病棟には恐ろしい医師がいる、
いや、恐ろしいシステムが野放しにされていると
恐くなりますね。
土屋 ですから、有能な外科医は
先輩から教わったり、現場の臨床を積みながら、
本当にガンとはどういう病気か、
どう治療すれば最良に出来るのか…
自分で、ガン腫瘍学=オンコロジーを
身につけているといったらよいわけです。
関根 最新治療の勉強、患者のライフスタイルについて、
日々、研鑚していくわけですね。
土屋 いろんなカンファレンスがあります。
外科医、内科医、放射線科など、
いろいろなカンファレンスを聞いていくことにより、
自然にガンについて総合的に判断できるようになります。
外科だから、内科だからという、
いまの縦割り発想では、
本来のガン治療には無理があります。
トータルケアやアフターケアが出来ないでしょ。
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