元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第370回
日本人は「ゆるんでいる」

老親痴呆の問題作、名作といえば、
有吉佐和子さんの「恍惚の人」
佐江衆一さんの「黄落」が有名です。
いまや、長寿難病時代の中年夫婦の必読副読本でしょう。
先日、「黄落」を読み返してみたのですが、
日々、ホカホカ弁当を買ってきては下の世話をする中年夫婦。
痴呆の舅姑を介護する嫁の
心の葛藤には誰もが身につまされます。

嫁を盗人呼ばわりし、
介護の手伝いに来てくれた女性に、
局部露出性癖を見せる老舅。
とうとう、還暦60歳にして中年夫婦は
離婚の危機にも見まわれるのです。
姑が亡くなってから、
94歳の舅は老人病院で老いらくの恋に走る…。
傍若無人な痴呆老人の姿に主人公夫婦、いや
読者はハラハラさせられるのですが、
こうしたことは、
もう、どこの家庭でも起こりそうな、
抜き差しならぬ現実ではないでしょうか?

はたして老親老介護とは、
はたして長寿難病社会とは、
医療福祉制度の充実だけが問題でしょうか?
日頃からのひとりひとりのライフスタイルの見直しが
必要だなあとつくづく思います。

とくにわが家の「母はボケ、俺はガン」ではありませんが、
日本人全体を襲っている
「食の堕落」の見直しをしないと、
ボケやガン、
いやいや最近頻発している
暴行・虐待・引きこもりといった少年犯罪に、
ますます「事実は小説よりも奇なり」といった
怪事件や仰天現象が多発することでしょう。

なんども書きますが、老若男女を問わず、
いま日本人全体に、
心身を「ゆるませる」「たるませる」食事が多すぎるのです。
この30年、コンビニエンス産業大国、
食品輸入大国を享受してきた飽食日本、
いや過食日本人全体の衣食住のライフスタイルに
警告が発せられているのです
暴行、虐待、ひきこもりが教育制度の欠陥、
ガンや痴呆の増加が福祉介護制度の欠陥として
盛んにマスコミで指弾されますが、
いま見直しすべきは「日本人の食事」なのです。


←前回記事へ

2003年9月1日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ