元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第305回
心と体の「免疫力」を高めよう

では、なぜ心と脳の働きが
ガンの治療効果に大きく影響するか?
「ストレスとガン」の関係については、
脳神経学や免疫学の分野からも研究が盛んです。

ひとつは「間脳」の働きが低下すると
自律神経の働きが低調になり、
鬱状態となって
免疫力を下げるという考え方です。
「間脳」は親指の先くらいの小さな脳ですが
重要な三つの働きを持っています。

(1)自立神経の中枢としての働き。
   心臓、胃腸、血管、ホルモンなどの働きを調整する。

(2)感情や気力の中枢としての働き

(3)免疫力の中枢としての働き。

ガンの防御システムもここで調整されるといわれます。
ですから間脳を刺激する心理療法・行動療法が
ガン抑制に効果を示すという考え方です。

ところで、ガンの治療法には
「手術、抗ガン剤、放射線」といった
患部を切ったり叩いたりする
対処療法が主流ですが、
一方で、体内の免疫力を高め、
細胞活性化を図る免疫療法が
人間丸ごと、いや細胞ごと診る療法として台頭してきています。
心と脳の働きから免疫力をたかめる行動療法も
心理面、精神面から治療アプローチした
精神免疫療法といってもよいと思います。

最近、免疫学では、
「心と体」の両面から免疫力を高めよう!
「心と体」の両面からガン発生の仕組みを知ろう!
という療法を分析・開発した理論が注目されています。
大学病院が盛んにすすめる
ガン手術や抗ガン剤投与などの
臓器治療だけでは完治はしないと、
患者のほうでも薄々分かってきましたから、
人間丸ごとの命を診る、
心身の両面からトータルケアしていく、
いわゆるホリスティック医療の考え方が
狭い医療の枠を超えて台頭してくることは、
患者にとって実に心強いことではないでしょうか?
その一つの提唱が新潟大学大学院の安保徹教授の
「未来免疫学」という考え方なのです。


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2003年6月28日(土)

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