元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第295回
命を取るか? 事業に拘るか?

「世の中が不況になると社長のガンが増える」
ガン友達の布袋さんの説は
当たらずとも遠からずのようです。

いま出版界は大不況の真っ只中といわれます。
出版社からの印税支払いが6ヶ月後に伸びたよと、
友人のライターが嘆いているかと思えば、
昔、僕が編集長をしていた頃、
売上100億円を誇った花形週刊誌が売上トップの座を滑り落ち、
その余波で広告収入が激減。
とうとう赤字雑誌に転落したというのですから、
経営者も頭の痛い時代になったといえましょう。

先月は小さな出版社を経営している先輩が
大腸ガンから骨に転移して亡くなり、
ある取次店の社長が食道ガンで
倒れたという知らせも飛び込んできました。
知合いの雑誌社の幹部の奥さんも心労が重なって、
肺ガンでなくなりました。
地方新聞の編集長をしていた大学の先輩は、
ガンではありませんが無理がたたったのでしょう。
くも膜下出血で倒れたという訃報がはいりました。

50代、60代とは人生の節目ですが、
長寿社会になればなるほど、
仕事や経営の面でもうひとふんばり
頑張らなければならないわけですが、
この未曾有の金詰りにはどんな才気煥発な人でも、
叶いませんから、
逆境に耐える経営者の力、いや免疫力も
時代とともに弱まってきているような気がしてなりません。

ちなみに、2002年4月〜2003年3月の
帝国データバンクの調査を見ると、
倒産件数1万8928件、
2年ぶりに前年度比減少となったものの、
3年連続して1万8000件を突破。
戦後4番目、バブル崩壊後では
2001年度(2万0052件)に次ぐ
2番目を記録となったそうです。

「モノが売れない」
「焦げ付きが発生した」などの
不況要因によって倒産に追い込まれた企業が
4分の3以上を占めるといいます。
古来から商売に「行き詰まる」は
「息詰る」「生き詰る」に通じるといいますから、
医学データ以上に、
経済データが「金銭ストレス」とガンの相関関係を
暗示しているようなのです。
60歳前後とは「命」を優先するか、「事業」に拘るか?
大事な選択を迫られた年齢といえるでしょう。


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2003年6月18日(水)

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