元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第197回
「音薬」療法はスローヘルスです

ヒーリングミュージックの宮下富実夫さんとは、
演奏会のあと楽屋でお会いして、
著書「ヒーリング・ライフ」(春秋社)
サインをいただいた楽しい思い出が残っています。
「眠りのコンサート」は素晴らしい音楽会というだけでなく、
心身のエネルギーを蘇らせる、
心地よい音楽療法だな、
宮下さんって心の綺麗な人だなと感動しました。
でも、そのときが最後のお別れになるとは…。
ほんとうにガンは「いい人」に取り憑く、意地の悪い悪魔病です。

宮下さんは、いつも、この「音楽療法」を
「音薬(おんやく)療法」と呼んで奏でておられました。
では、なぜ聴く人たちを心地よい眠りに導く波動があったのか?
「自然の風や小川のせせらぎのような
“1/F”というゆらぎにあふれた音楽を送ると、
創造を司る右脳にはたらきかけ、
仕事やストレスに疲れた左脳を休ませ、
バランスよく、心身に安らぎを感じさせる。
また癒しの音の波動は体のリズムを整える働きがあり、
病気を予防したり自然治癒力を高めることができる」
というのです。
自然の小川の流れ、小鳥のさえずり、
くり返されるゆったりとした音の波動を伝えられると、
気分をリラックスさせるα波が脳内に満たされ、
レム睡眠という深い眠りが襲い、
さらにホルモンから快感神経伝達物質ドーパミンが流れて、
ストレスを無意識のレベルで癒すというのです。
「音薬」療法こそ、まさにスローヘルスでしょう。

宮下さんは標高1250メートル、長野の飯綱高原に
この「音薬療法」のゲストハウスを開設していました。
マイナスイオンに満ちあふれた白樺の森に包まれ
四季を通じて小鳥たちの歌声が響き
館内には常にヒーリングミュージックが流れ
瞑想にストレッチにたくさんの患者さんが訪れたそうです。
宮下さんは多くの人にスローへルスな名曲を送りつつ、
あの世に旅立たれました、
本当にいい人を失いました。
あの「眠りのコンサート」がもう体感できないと、
ショックを受けた人は僕だけではなかったと思います。
もう、宮下さんのやさしい微笑みを見ることができませんが、
「瞑想」「やすらぎ」「誕生」といったベストセラーCDの名曲、
「Breath」 〜癒しの海〜といったDVDの名作、
数々の心やすらぐ「音薬」演奏が残されています。
ぜひ、試聴、体感してみることをオススメします。


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2003年3月12日(水)

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