元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第193回
「切り捨てご免」まかり通る

食道ガン手術がいかに大変かという話の続きです。
「3週間後にゴルフもで来ますよ。
酒でも肉でも食べたいものは食べられますよ」
僕の主治医は手術を強要するために、
こんな甘言を吐いて折伏するばかりで、
喉の接合不全や術後の合併症については全く話しませんでした。
おまけに、日本の病院は
外科とか、内科、放射線科などと治療のシステムが
縦割りになっていますから、
患者の心身を丸ごと考えて診察してくれるタイプの
主治医は殆どいません。

はっきりいって「切捨てご免」がまかり通っているのが
ガン病棟の現状ではないでしょうか?
ましておや、外科医は栄養学も習っていませんから、
患者の食生活、術後のライフスタイルについては
無頓着もいいところです。
いまでこそ、術後、抗ガン剤などをジャブジャブ浴びるのではなく、
ガンに負けない体質を作ること、
食事に気をつけることが、
延命の近道だと分かってきましたから、
「術後は肉でもウナギでも精力のつくものは
どんどん食べられます。
酒も飲みすぎなければOKです」などという、
医師の言葉を聞くと愕然とします。
もう、このコラムを読んでいる方ならお分かりでしょうが、
腸に毒素をため込む肉や油もの、
さらに体を冷やす果物や甘いもの、アルコールの暴飲過食は、
体を酸化させますから、ガンをはびこらせる素となるわけです。
しかし、病院食が不味いだけではなく、
食事指導もめちゃめちゃですから、
どの患者も主治医のいいなりになって、
術後=即完治への道…とばかり回復を焦って、、
肉やウナギばかりか、牛乳やヨーグルトや卵などを、
無理やり食べることになります。

先日もあるテレビの健康番組を見ていたら、
大学病院の食道ガンの権威の医師が登場し、
「術後はゆっくり噛んで、
なんでも好きなものを食べてください」
といっておりました。
それはよいとしても
「最初は甘いものや果物といったものから食べてください」
というに及んでは、
ああ、この外科医は少しも栄養学を勉強していないのだなあ、
体を酸化させたり、体を冷やすことがいかにガンを増殖させるか?
ちっとも分かっていないのだなあ…と呆れてしまいました。
「切り捨てご免」の医師はこれだから困るのです。


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2003年3月8日(土)

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