元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第49回
とうとうチベットで「生命の風」(ルン)に触れてきました

前に、食道ガンで亡くなられた65歳の母親の遺骨を、
インドのガンジス川に流して供養したという
娘さんの話を紹介しましたが、
命の再生思想というと、どうしても仏教の発祥地であるインドや
ネパール、さらにチベットを思い起こします。
とにかく、蒸し風呂のように湿気の多い日本の夏は、
患者の体に変調をきたすので、
いつも軽井沢とか、東北の温泉に逃げ出すのですが、
この夏は思い切って、気候のカラリとしたチベットに行ってきました。

もちろん、天国に一番近い聖地と言われるヒマラヤの麓で、
歴代のチベット密教僧のように、
ゾクチェン(完成された心)という悟りの境地にはいって、
死の恐怖を乗り越え、仏の道にたどり着くような修業は
とてもとても凡人には不可能なのですが、
天然自然の生命エネルギーの息吹をもろに体感して、
宇宙の大きな命の流れに心身を晒すには、
もってこいのチャンスではないかと思いついたからです。

また、本当にガンに勝てるかも知れないという
自信が湧いてきたことも確かでした。
命の運試し、生き抜く度胸試しの気分がありました。
ちょうど、妻も膠原病やリウマチに悩まされていたので、
湿気の少ない高地の方が、
夏を快適に過ごせるだろうと息投合しました。

ところが、高地トレッキングや登山の経験のある人なら分かるように、
首都のラサにしても
富士山の3884メートル、いやそれ以上の高度です。
油断していると高山病に罹る恐れがあるというではありませんか?
チベット高原は酸素も気圧も2/3ですから、
酸欠になれば、脳細胞、肺細胞がやられて、下手をすると
一気に死に至る危険があるというのです。
心配した友人たちも
「せっかく命拾いしたのに死に急ぐような乱暴な旅はやめたほうがよい。
南の島にでも行ってのんびりしていた方がよいのではないか?」
と忠告してくれましたが、
「いやいや、元気にヒマラヤに登山したガン患者もいるのだからね。
高山病よけの薬も探して持っていくよ」といって、
とうとう「チベット仏教寺院巡り」のツアーに参加してしまいました。
密教医学では、生命の素になる気のパワーをルンと呼びますが、
なんとしてもその「生命の風」を体感しに行きたくなったわけです。


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2002年10月15日(火)

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