第40回
「切るべきか?切らざるべきか?」父を亡くし、母も肺ガン!
とにかく、最近は知合いにガン患者が増えているのには驚きます。
後輩の女性ジャーナリストから、
60歳を過ぎた父親が末期の肺ガンだと相談を受けたことがあります。
それも小細胞ガンで手術は出来ないと病院から見放されたというので、
マクロビオティックの食養生法でガンがこれ以上、侵食しないように
体質を替えることをアドバイスしておりました。
ところが、若い頃から米国で特派員をしていたこともあり、
ステーキやから揚げが大好きで、なかなか娘さんが思うようには、
和食や玄米菜食が徹底できません。
また、入退院を繰り返しながらも、
天仙液のほかにマイタケエキスなど健康食品も服用して
養生に努めておりました。
ちなみに、マイタケエキスとは
MDフラクションというマイタケの多糖体から抽出したものですが、
十二指腸ガンから肺ガンに転移し、その末期症状から生還した、
盛岡の整形外科医・清水妙正医師などが推奨している健康食品です。
そうした養生の甲斐もあってか、
余命半年といわれた体が、2年近く延命したのですが、
すでに手遅れだったのかも知れません。残念にも亡くなられました。
ところが、半年後、夫を亡くした心労もあったのでしょうか、
こんどは母親の左肺に1センチ大の腫瘍が見つかったというのです。
もちろん、2度と悲しい思いはしたくないと、
父親に奨めた食養生や健康食品で免疫力強化をはかりながらも、
「切るべきか? 切らざるべきか?」迷ったのです。
1センチの非小細胞ガンといえば、ステージ1―A、つまり初期段階ですから、
どこの病院の外科医でも「切れば治ります」と手術を強行します。
しかし、娘さんはどうしても肋骨をこじ開ける手術に母親が耐えられるか?
術後、免疫力を失って命を縮めるのではないか?
心配で心配で、もちまえの取材力で手術以外の治療法を探しまくったわけです。
僕も代替医療の権威・帯津良一医師や
ガンコンサルタントの土屋繁裕医師を紹介し、
納得できる治療を探すようにアドバイスしました。
その結果、わかったのが以下のような治療でした。
1、胸腔鏡手術=開胸手術と違って、胸の横に小さな穴を3か所開け、
ビデオモニターで手術する方法。
直径3センチ以下のガンで入院も1週間ぐらいで、
患者さんの身体への負担が少ないが、熟練した外科医でないと手術は難しい。
2、分子標的の抗ガン剤イレッサ=英国・アストラゼネカ社が開発した飲み薬
「ZA1839(商品名イレッサ)。
ガン細胞だけ狙い撃つため副作用は少ないが高価薬。
3、非細胞ガンに重粒子線治療= ガン組織だけに集中して
放射線のエネルギーを加えることができる。
しかし体組織を通過するエネルギーの粒子線を得るためには
重粒子サイクロトロンが必要で、大規模な病院にしか装置がない。
ガンの最先端治療といっても、それぞれに一長一短があるわけです。
この親子は悩んだ末に、やはり「ガンは切らない!」と人生の覚悟を決めて、
いま、自然治癒療法の組み合わせて頑張っています。
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