元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第29回
死は絶望ではなく「新しい生のメッセージ」と考えてはどうだろう?

「死を恐れてはいけない。
 いやむしろ、死を身近に感じたほうが、
 長い人生はよりパワフルな生き方に変えられる」
まるで逆説のような処世訓で、
ガン患者を勇気づけてくれる医師がいます。
僕の主治医の一人であり、診察だけでなく、
心の持ち方まで指導していただいている
代替医療で有名な帯津良一博士です。
名著「自然治癒力が目覚める養生塾/魂の癒し 体の癒し」(海竜社)の中で、
「つねに死を思え!(メメント・モリ)」
「死から目をそらしてはいけない」と患者の心の覚悟を
力強く後押ししてくれる医師です。

ガンと宣告されたとき、たしかに「ガン即=死」という文字が
頭の中を駆け巡り、
人生の設計図がビリビリと破られる妄想に襲われます。
僕の場合は、ちょうど、30年勤めたサラリーマン生活を辞め、
夫婦して小さな会社を起こし、思い切って念願の夢の仕事を実現しようと
勇んでいたときでしたから、
まさに「ガン即=死=人生破壊」と映ったわけです。

しかし、やがて病棟のなかで心が落ち着き、
ガン宣告がすぐ死に結びつくものではなく、
治療や養生の選択次第では、もう数年、いやあわよくば10数年は
生き延びている人たちもいると分かってくると、
むしろ「死」の警告は、
新しい生へのメッセージのように思えてきたから不思議でした。
「死は再生へのメッセージである」…
こうした、前向きの心の覚悟が決まると、物の考え方が逆転します。
手術をすべきかどうかの判断、セカンドオピニオンの医師の選択、
はたまた、
大病院の医師たちを「神様だ」と信じて任せてよいのだろうか?
そうした疑問も次々と湧き起こり、
「己の命は、やはり己自身の知恵で守らなければならない」と
堂々と運命に立ち向かう答えも見出せるはずです。

帯津医師は著書の中で
心の療法について、以下のようなことも述べています。
「死の恐怖は生きているうちに成すべきことを成していないから起こる」
「人が恐れているのは死ではなく、生が不完結に終わることだ」
たしかにそうでしょう。
己の心のうちがはっきり見えて、もう1度、生きる勇気を取り戻すと、、
健康法や養生法の選択も迷いがなくなります。前向きになります。
もし、自分に合った治療法に遭遇できれば、
まるで運命を切り開く「贈り物」のように思えるから面白いものです。


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2002年9月25日(水)

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