元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第4
医療ミス?くれぐれも「切られ損」の手術には注意しましょう

いまガンの治療は90%が手術によるものです。
よい医師にめぐり合えば幸運ですが、
もし無謀な治療で命を落とすようなことになれば、
これほど口惜しいことはありません。
友人たちにも、ガンと誤診されて腎臓を切られた人、
手術後、合併症と院内感染で命を落とした肺ガンの患者…
「切られ損」の症例はたくさんあります。
僕は世間の常識に逆らって、へそ曲がりの闘病法を選びました。
お蔭で、なんとか「命を一つ拾う」ことが出来たのですから、
運命の明暗の一寸先とは分かりませんね。
では「切らずに治す」とは、どんな治療法なのか?

たとえば、食道ガンは胃ガンに似て簡単に「手術できる」
と思うでしょうが、これは錯覚です。
胸、腹、喉の3箇所を切り刻まれ、
8時間も10時間も掛かる大手術なのです。
食道は背骨にそって走る長さ四十センチの管で、
肺や心臓、大動脈といった生命中枢臓器と隣りあわせになった
肋骨の内側にありますから、
手術は込み入っています。
胸、背中を切り裂いて筋肉をそぎ、
肋骨を2、3本へし折る。
四〇センチの食道を全部切り、リンパ節を郭清する。
さらに喉を切って、腹を切って胃袋の運動神経を叩く。
そして、ナス型の胃袋をキュウリの型に細く叩きのめして、
喉の下まで持ち上げて、「代用の食道」として繋ぐわけです。
その手術の凄さを事前に知って僕は「手術を拒否」しました。

手術後も悲惨です。
リンパ郭清の拡大手術による体力の消耗が起こります。
さらに患部の接合不全による合併症などを併発し、
知合いの中には再発や転移した患者もいました。
とにかく、入院中に腹の立ったことは、主治医が手術の直前まで、
その詳細を患者に教えてくれないことでした。
よく医師と患者の信頼関係を保つために
インフォームドコンセント(治療の説明合意)が整いつつある
と新聞などで喧伝されますが、
治療現場はトンでもありません。
ガンそのもので命を落とすのではなく、
無謀な手術や患者無視の治療で死に至る…
こうした医療ミスに遭遇した人はまさに不運。
くれぐれも傲慢不遜な医師と
「切られ損」の手術には注意しましょう。


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