第4398回
イチゴ博覧会に行ってきました
オリンピックと同じように
4年に一度開催されるイチゴ博覧会が北京でひらかれたので、
うちの若い者に誘われて見学に行ってきました。
たかがイチゴと思っていましたが、
アメリカやヨーロッパだけでなく、
アフリカや南アメリカや
日本の栽培温室が並んだスケールの大きな会場に先ずびっくりし、
徒歩で一巡できないので、
秘書の押す車椅子のお世話になりました。
わざわざ見学に行ったのは面白がって行ったのではなくて、
安徽省で日本式のイチゴ栽培をやる計画をすすめているからです。
むろん、中国でもイチゴの栽培はやっており、
安徽省のごく一部だけで
日本の総生産量に匹敵する生産量があります。
そんな所にわざわざ日本の生産技術を持ち込むのは、
日本の方がずっと技術が進んでいて、
うんと味のよい物ができるだけでなく、
一反当りの生産量も倍以上あるからです。
生活のレベルが上がったので、
中国のスーパーでもイチゴは珍しいものではなくなりましたが、
人々の舌も日増しに肥えているので、
日本の栽培技術が注目されているのです。
私はうっかりしていて、
イチゴは温室の中でいちいち棚をつくり、
温度まで調整してつくられるものだとは知りませんでした。
「たかがイチゴ」と思っていたのが、
日本の10億もある市場ということになりますと、
バカにはできません。
安徽省にもイチゴの市場があって、
そこで商品を並べて味と見かけで値段がせられますから、
日本のプロたちは大へんな自信をもっているのです。
これと似たことがメロンからサクランボから
さては桃やリンゴにまで起りますから、
日本で生き残った農業の企業家たちにとって
やれる仕事はいくらでもあるのです。
TPPに加盟するかどうかで
ヒステリーをおこしている人も少くはないようですが、
米からトマトまで日本人が戦える分野が
中国大陸にいくらでもころがっているのです。 |