第4377回
永保林業もどうやら戻り歩調
永保林業は董事長さんが
私に約束した通りちゃんと配当もしましたので、
投資家たちの人気を呼び、
株価も順調に上昇しました。
ところが、ブラジルで電力会社と
伐採の仲介をしたブローカーに報酬のことで脅迫され、
とうとう訴訟騒ぎにまで発展しました。
どういう内容なのか、
またどういう動きになったのか、
連絡がとれず、真相がわからないまま株が売られ、
あれこれデマもとびました。
昨年、広東省の企業を訪問する考察団を組織した時、
私は永保林業が中山市に新しく買収した
材木市場を訪問するスケジュールを組み、
現場を案内してもらいました。
トップが所用で不在だったので、
現場の責任者に案内してもらいましたが、
市場に隣接して巨大な工場を建設中で、
アフリカから輸入した材木で床板を生産する工場にする旨、
説明を受けました。
床板は最も需要が多く、
マンションやオフィスの建設が続く限り仕事のある業界ですから
狙いは悪くないなあと少しばかり胸を撫でおろしました。
しかし、噂が噂を呼び、
色々とデマもとんで株価は下げ続け、
とうとう0.2ドルを割るところまでおちました。
そこで漸く再会するチャンスを得て、
香港で楽董事長と姜財務担当重役と一緒にテーブルを囲みました。
「ブラジルの争議はどうなりましたか」ときくと、
民間企業の訴えは政府が真剣に取り上げてくれないので、
停滞したまま、
「ですからこちらもバックになってくれる存在が必要になって、
やっと建設銀行がうしろ立てになってくれることになりました」
という返事がかえってきました。
中国建設銀行がメイン・バンクになってくれれば、
金ぐりの心配もなくなるし、
あとは本業をどう展開して行くかが最大の課題になります。
中山市に建設していた大工場も完成して
四社の家具メーカーがフル操業していますということなので、
どうやらピンチもくぐり抜けた様子。
そう思って株価を見たら、
私より株価の方が一足先に戻り歩調になっているのですね。
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