中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4341回
台湾には中国批判の目は半分あります

台湾の総統選挙も一応、馬英九さんの続投で決着して、
台湾海峡に荒波が立たないですみましたが、
国民党に批判的な民進党を支持する票が
それに負けないくらい(6,890,000票に対して6,090,000票)
ありましたから、中国に対する批判票が無視できないことも
皆さんにご理解いただけたのではないでしょうか。

日本人にはわかりにくいと思いますが、
中国共産党と中国国民党はかつて犬猿の仲でした。
台湾に逃げた国民党の中の人が
こっそり香港に行って中国から出て来た親戚とあっただけで
台湾で死刑になったこともあったのです。
そういう連中に支配されたのではたまらないと考えて、
23歳の台湾人青年の私が国連に
「まだ平和条約も締結されていないのだから、
台湾の将来は住民の人民投票で決着すべきだ」と請願書を出せば
どんな目にあうかはご想像いただけると思います。

しかし、その後、アジアは大きく変化しました。
日本は敗戦国から世界のトップを行く先進国に踊り出たし、
すべての人の予想をくつがえして
中国は次の世界のチャンピオンを目指して
高度成長を続けています。
私が時代の変化に応じて
「出来ないことを出来ること」に切り変えて、
政治から文学、文学から経済に移って行ったのを
「終始一貫していない」と言って批判する人もおりますが、
「バカの一つ覚え」で終始一貫する人よりは
ましなのではないでしょうか。

その代わり政治からは一切身をひいて、
少しでも多くの人に役立てるように、
時代の先を読む人生を送ってきましたが、
台湾の人たちが考えることだって
中国の一筋縄ではどうにもならないのですから、
香港や澳門の人たちはもとよりのこと、
13億の人たちの中にも色んな人がいて当り前ではないでしょうか。
次の10年、新しい経済成長の中で中国人の一人一人が何を考え、
どう行動するかはこれからのアジアを大きく左右します。
只一つはっきりしていることは
戦争をして片のつく問題ではないということです。


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2012年1月28日(土)

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