第4322回
コロリと逝くための準備も必要です
昨日、申し上げましたように、
中年から上の人には大野竜三先生の
「やすらかな死を迎えるためにしておくべきこと」
PHP新書(定価756円税込)のご一読をおすすめします。
私は気の早い人間ですから、
今から35年も前にウィーンを訪ねた時に
年寄りばかりになった町を見て、
「今に日本も年寄りの国になる。皆が年寄りになるのだから、
年金なんかあてにできるわけがない。
年をとった時の対策は若い時からよく考えて自分でやるべきだ」
と主張して今日に至っています。
この本を見ると、日本は世界一の長寿国になったと書かれています。
2010年の厚生労働省人口動態統計によれば、
日本人男性の平均寿命は79.6歳、女性は86.4歳でした。
昭和15年(1940年)の平均寿命は
男性はたったの47.4歳、女性は50.2歳だったのですから、
僅か半世紀で日本人の平均寿命は30年以上も延びたことになります。
統計の数字は以上の通りですが、
女性の方が長生きなことは誰でも知っていることだし、
男女を問わず平均年齢をこえて長生きする人もあれば、
早死する人もあります。
従って70歳をこえると長く連れ添ってきた夫婦でも
一人暮らしになる人は珍しくなく、
家族制度が崩壊した今日では
子供たちと世帯を別にした一人世帯はむしろふえる方向にあります。
私の場合はそういう環境もすべて勘定に入れて、
夫婦のどちらに先立たれても生き残った方が
ちゃんと暮らして行ける対策をとっていますので、
何の対策もとっていない人よりは少しはましだと思っていますが、
生きている間はピンピンで、
死ぬ時はコロリと行くことを望まないわけがありません。
ところが、今の医療制度では自宅で死ぬことも難しいし、
延命治療の中止を頼むことさえ容易なことではないのです。
やすらかな死を迎えるためには、
リビング・ウィルを元気なうちにつくっておく必要があると
この本には書いています。
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