第4319回
民主主義にも資本主義にもご破算の波が
毎年、年の終わりが来て、
正月になると新しい年が始まり正月を迎えてきましたが、
ことしは私にとっても例年と違う正月を迎えています。
例年なら去年に続く新しい年ですが、
ことしは今までと違った
大きな変化のある年になるのではないかという予感を抱いています。
お金でお金を儲けるビジネスがピンチを迎えるのは
アメリカから始まって、とうとうユーロで発病し、
ギリシャからイタリアに伝染してなかなか治らないばかりでなく、
恐らく更にポルトガルやスペインにまで伝染して
借金に借金を重ねて政体を維持する政治制度に
大きな変革が起るのではないか、という気がしてならないのです。
となると、それはヨーロッパだけの問題ではなくて、
選挙で国の代表を選ぶ民主主義体制が
決済期を迎えてそれを乗りきれないことを意味しますから、
ヨーロッパだけでなく、アメリカも、
そして、日本もいままでの体制が維持できないことになります。
資本主義にも、もちろん、問題はありますが、
選挙民にこびないと成り立たない政治体制が
破算に瀕する時期が来たということではないでしょうか。
日本の政界にはそうした危機感は全くなく、
更に借金の枠を拡げて行くことに夢中になっていますが、
もし日本の国債にも利上げの動きが表面化したら、
ドイツやフランスが蒙むる雨あられと
同じことが起らないと安心なんかしておられないのです。
その上、お隣りの中国でも、
不動産の暴落がきっかけになったバブル発生の可能性が
一段と強くなっているので、
世界中を一ぺん大嵐が見舞う可能性は
かなり高いのではないでしょうか。
私はいまこの原稿を北京で書いていますが、
こんな危機感に見舞われたことはこの50年にありませんでした。
私の杞憂にすぎなければそれにこしたことはありませんが、
中近東のジャスミン革命だけでなく、
民主体制にも、資本主義にも
ご破算の波が押し寄せているのではないでしょうか。
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