第4316回
円高はまたとない避難のチャンス
いまユーロでギリシャとイタリアに
救援の手をさしのべているのは、フランスとドイツですが、
フランス人は生来のケチで、
ドイツ人は無駄遣いをやらない国民性だからで、
この2つの国が同じ悩みを持っていないわけではありません。
デモクラシーという制度を採用している限り、
公のお金の無駄遣いを避けることはほとんど不可能だし、
ペーパー・マネーで交易をしている限り、
流通するお金がふえて
インフレになることを避けることは困難です。
デモクラシーの欠点を修正する知恵は
まだいくらかあるかも知れませんが、
国の無駄遣いを矯正する方法は
いくら考えてもないんじゃないでしょうか。
私は税金をとりにくいようにすることが
一番効果があると考えていますが、
国には税務署という権力を背景にした悪役がいて、
その追求を逃がれることができない限り、
逃げ道は先ずないでしょう。
ですから世界中を駆けめぐる遊資は
ヨーロッパがずっこけるのを怖れて
とりあえず安全だと思われる日本に駆け込みます。
日本だって本当は同じ問題を抱え込んでいるのですが、
お金の儲ける話があるなら
世界中どこへでも駆け込む世界の遊資は
とりあえず日本を目指します。
おかげで1ドル100円でも高かった円が更に買われて
70円台まで買い込まれています。
日本円で生活をしている日本人は何もやらなくともその分、
金持ちになったということになります。
本当は日本人もやることがなくなって、
どうしていいのか頭を抱えているところですが、
そこへ思いもよらず円高が押し寄せて来たので、
今がまたとない逃げチャンスということになったのです。
本当は今の選挙制度に対しても、また今の貨幣制度に対しても
改革に真剣に取り組むべき時期に来ているのですが、
自分のことだけを考えたら、
またとない逃げチャンスじゃないかということになります。
どちらに動いてももっともな言い分はありますが。
あなたならどちらを選びますか。
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