中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4312回
日本だって一歩間違えたら

国の予算は個人のお金でありませんから、
それを扱う人は誰でも気前よく使います。
ですから、税金はとりにくいくらいでちょうどいいのです。
私が消費税の導入に反対したのも、
一旦、消費税をとるようになると、最初は3%でも、
そのうちに5%になり、またそのうちに10%になって、
更にもっと高くなることは避けられなくなると思ったからです。
今、その時に来ているということです。

いざ増税ということになると
さすがにあれこれブレーキがかかっています。
ですから国民の大半に賛成してもらうためには、
無駄な予算は削って見せなければなりません。
私は国の予算の中からサラリーをもらわないと
やって行けない人に国政を任せないで、
社会的に成功して功成り名遂げた人に
無給でやってもらったらどうですかと提案してきましたが、
さすがに賛成してくれる国会議員はお一人もいないようです。

それははじめから予想していたことですから、
少しも驚きませんが、
では先ず議員のお手当ては半分に減らしてから
増税の論議をしましょうという声くらいはあるかというと、
それも全くないようです。
国の予算を稼ぎ出す人よりも
国の予算を使う人によって国会が成り立っているのですから、
予算になたをふるう人を期待する方が
間違っているということでしょう。

となると、消費税を5%から10%に値上げしたくらいのことで、
今の日本の国の窮状を救う方法は
全くないと思ったら間違いないでしょう。
40兆しか収入がないのに90兆も予算を組むことに
そもそも何の驚きも感じない人たちによって、
日本の国がやって行けるわけがないのです。
紙幣の濫発とその後片づけに天手古舞いをしているのは
何もギリシャやイタリアだけではありません。
日本の場合は1000兆円に及ぶ国債の貸手が
日本人とお金を預っている日本の銀行であるために、
最終的には日本人によって片がつくだろうと
外国人が見ているからです。
でも一歩間違えたら皆さんの財産が吹っとぶ前に
日本の銀行が吹っとんでしまうと思いませんか。


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2011年12月30日(金)

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