中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4285回
但し、ワイン株投資にはそれだけの覚悟が

ワインの話が出たついでに、中国で今、ワイン・ブームが
どんなことを惹き起しているかご存じでしょうか。
或る時、フランスのワインを日本に輸入している
日本の上場会社の社長さんが
私のところへ尋ねてきたことがあります。
用件は自分たちが輸入しているワインを
中国でも販売できないかということでした。

私のところはイタリアの料理屋をはじめ、
中華料理、さては焼肉屋までいくつもの料理屋を経営しています。
ワインを注文するお客も多いので、
どのレストランにもワインがおいてありますが、
私がよく食事をするイタリア料理屋イル・ミリオーネには
イタリアのワインはもとよりのこと、
フランスやチリやアフリカやオーストラリアのワインもあります。
値段をきくと、日本で注文するよりずっと安いし、
物も悪くはありません。
そういう輸出品とも競争するのですから、
中国国産メーカーも楽じゃないのです。

そればかりではありません。
中国のワインの関税率は40%ですが、
あれこれスキマをくぐって
脱税をして輸入されているワインが後を絶たず、
それらと競争して売上げを伸ばすのは容易なことではありません。
そういうところへきちんと税金を払わないと
輸入のできない日本の業者がどうやって
業績を伸ばして行くことができるのでしょうか。

中国人は日本人に比べて千年も前から輸入に対して大らかなんです。
世界中の物が中国という国際市場で生存競争をやってきたのです。
TTPに加入していなくとも、
実質的に世界中の商品を受け入れている中国は
自由競争の社会なのです。
それでも赤玉ワインのようなレベルからスタートして、
中国では生存競争に生き残る死闘をあきらめない企業が
たくさんあるのです。

というわけで中国のワイン株に投資する人は
それに見合うだけの勇気と辛抱強さが必要です。
亨泰や超大現代などの農業株に投資して
ブツブツ言っている人につとまるわけがありません。


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2011年12月3日(土)

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