中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4275回
国庫は月給を払う人に任せたら

世の中には「月給を払える人」と、
「月給をもらう人」と2種類の人しかいないと言いますと、
「そんなバカなことがあるものか」
と反論する人がたくさんいると思います。
サラリーマン資本主義の日本では、
サラリーマンの中から「月給を払う」人を選び出して
現にちゃんと社員の月給も捻出しています。
何千人、何百人の中からそういう人を選び出して、
それで日本の会社の経営が成り立っているのです。

但し、そういう人は何百人、何千人の中から選び出されて、
多分、4年か6年くらい月給を払う仕事に従事するのでしょう。
それに比べると創業者はたとえ小企業でも
自分でサラリーを払えるだけの富を生み出して
従業員に月給を払っています。
そういう人はどうすれば無い所から富を生み出し、
どこを削り、どこに力を入れれば、
払う月給を生み出すことができるか、その要領を心得た人です。

私は成長経済時代の日本で、
株式投資のために企業訪問や工場見学をした
最初の人の一人だと思いますが、
今をときめく成長企業に行って、
会社のトップの人たちに接すると、
本当に会社を動かしている人は
一人か二人多くて三人であることに気づいて
とてもびっくりしたことがあります。

但し、会社や企業はたくさんありますから、
月給を払う人は大小あわせると結構たくさんいます。
そういう人の中で「功なり名遂げた」人が
「もう自分の利益のために働く必要はなくなった。
あとは世のため人のために貢献したい」と思う人があれば、
たとえ無給でも公のために奉公してくれるのではないでしょうか。

そういう人をそれぞれの地方で、
更には国のスケールで選び出して公の予算を組んでもらい、
金の出し入れをやってもらう仕組みをつくることができれば、
今の政治よりはずっとましじゃないでしょうか。
そんなことできるわけがないとおっしゃるなら、
ちょうど円高でお金を持ち出すのに好都合な時でもあり、
大量の資金が逃げ仕度にかかるのを防ぐ方法は
あまりないのじゃないでしょうか。
こんな状態が続けば、
大量の資金が日本から逃げ仕度にかかることは目に見えています。


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2011年11月23日(水)

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