第4269回
国際金融のプロでもこんなに間違える
アメリカの金融の大手がスペインとイタリアの国債を買い過ぎて
大暴落にあい、約400億ドル(邦貨にして約3兆円)の損失を出して
破産の申請をした旨、新聞が報じています。
金融業界のプロが大きな失敗をして、
素人の私たちが見物席に廻わるというのは、
考えて見れば何かの間違いじゃないかと思いたくなりますが、
よく考えて見ると、
お金を扱うプロでもお金の動きに対して
常に正しい見方をしているわけではありません。
むしろ逆に間違った見方をすることが多いのです。
人間の必要としている物をつくって、
それをお金に変えるのなら、
製品の生産や流通の過程で付加価値をつける仕事ですから、
多い少いの違いはありますが、
利益をもたらしてくれてもおかしくはありません。
それに比してお金でお金を生むビジネスは、
そうした人々が生み出した価値のピンハネをする仕事ですから、
あたりが悪ければ、自分の方がハネとばされてしまいます。
高利貸もそうですが、
株の買占めや企業のM&Aも汗水垂らして稼ぐ仕事ではなくて、
汗水垂らした人の上前をハネる仕事です。
そういう仕事は世の中が豊かになればなるほどふえます。
サブプライム・ローンもそうしたビジネスだし、
国の無駄遣いにお金を貸す投資会社もそうです。
アメリカの政府があれこれ口実をもうけてドルを刷り続けると、
世界中の国々がそれに右ならえをして、
世界中がペーパー・マネーの大洪水になります。
すると、そうしたお金の貸借の仲介をする仕事がふえて、
必らずどこかで頭を壁にぶっつけます。
プロならころばないと思うのは間違いで、
プロほどお金に目がくらんで判断を間違えるのです。
ですからプロの言うことに耳を傾けるより自分の畑に戻って、
自分のお金をどう耕すか考えるべきです。
天気が一番早く回復する畑はどこか、
それが見つかったら、そこから耕しはじめたらいいのです。
そんなに遠くまで行かなくとも、
先ず自分の周辺から耕しはじめたらいいのです。
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