第4156回
考え方を変える時が来ました
1ヶ月ほど中国をあちらこちらとび歩いて、
私は次々と産業界のスキマを探がし出しました。
スキマはもちろん、それだけではありません。
レストランを食べ歩いても、
レストランのスキマがいくらでも目につきますし、
デパートの中を歩いても、
なんでこんなものを売るのをやめないんだろうか、
と欠点はいくらでも目につきます。
ですからホテルに帰って
そのまま寝てしまうわけには行かないのです。
アメリカ式のショッピング・センターを歩くと、
お金もかかっているし、設備も立派ですが、
お客はほとんどいません。
うちの家内などはよほどいいお客に見えるのか、
店の中の女性の店員が廊下までとび出してきて
商品を肩の高さまで上げて歩くのを遮ってしまいます。
結局、15,000元の正札を9,000元まで負けてもらって
手を打ったそうですが、「根が商人」の中国人でさえも、
これだけ試行錯誤をしないと一人前にはなれないのです。
それがいきなりオリジナルの商品開発まで辿りつけないで、
「世界の一流品」よりも、
「世界の二流品」もしくは「世界の三流品」の方が
中国人に受け入れられる時代が来たということになると、
日本人も頭の切りかえをする
絶好のチャンスが来たのではないでしょうか。
大地震がなくとも、日本の産業界は
世界を土俵にした時代に移る所まで来ています。
毎年、定年になる人がこんなにふえるようになると、
お金があってもお金を使わなくなる人が年々ふえ続けます。
デパートだって、スーパーだって、
レストランだってお金を使ってくれる人は減る一方で
ふえる見込みは全くありません。
中国でも恐らくやがてそれと同じことが起る時代が来るでしょうが、
少くともあと10年はその心配はありません。
ですから次の10年を生きる人は
物の考え方を変えなければなりません。
そんなことにこだわっているうちに
この連載も単行本1冊分に届いてしまいました。
明日から新しいテーマに変わりますので、
続けてごらんになって下さい。
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