中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4133回
中国金属再生資源は環保株の本命

昨年の末でしたか、投資考察団の皆さんを連れて、
広州の中国金属再生資源の本社を訪ね、
トップの方々に案内されて
スクラップの仕分けをしている現場にも出かけました。

銅を山から掘り出しているのと違って、
リサイクルの会社ですから、
ゴミの山の中から銅の素材を選り分ける現場です。
アメリカやその他の先進国から
船に積んで運んで来た現場はゴミの山で、
何で屑屋の株にそんな値段がつくのかと驚くでしょう。
でも銅の値段は1トンが人民元で5万元もしていて、
それが将来、更にその倍にも、
またその倍にもなる可能性があるのです。

中国金属再生資源はそうした銅の回収をしているゴミ屋の
全取扱量の2%しか占めていませんが、
それでもスケールは業界一。
それが急速に大きくなる可能性は
銅の再生をするメーカーが零細ゴミ屋を相手にしてくれないので、
業界の再編成は必至であり、
この会社の傘下に集まることは目に見えているからです。

この会社は銅のリサイクルだけでなく、
鉄のリサイクルのスケールは銅より大きいけれど、
お金の儲かるのは銅に軍配があがります。
産業界の発達と共にリサイクルは注目を浴びる事業ですが、
私たちが見ると、収益性が低いのが気になります。
但し、業界の再編成が進むのと、扱い量が急速に伸びるので、
その弱点をかなりカバーできるのではないかと期待されています。
経営陣にもそうした認識があるので、
収益性をあげることにはかなり神経を使っています。

私がこの会社に注目するようになったのは
株価が7ドル台だった時ですが、
成長性が高いので、あッという間に11ドル台まで上昇し、
この調子なら、「高い株ほどよく上がる」の
仲間入りをするのではないかと思っていましたが、
政府の金融引き締めが本格化すると、
一時ほどの勢いはなくなりました。
しかし、リサイクルは環境保全分野の本命の1つだし、
回収するのが銅ということになると、
目の離せない銘柄の1つと見てよいのではないでしょうか。


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2011年7月4日(月)

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