中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4118回
マンションのトラブルは外国でも

マンションは住んでいる分にはさして問題はありませんが、
古くなると問題が続出します。
とりわけ庶民の住むマンションは住んでいる人によって
職業も違えば、年齢も違えば、懐具合も違うので、
壁1つ塗りかえるのだって、
水漏れをなおすのだって衆議を一致させることは
容易なことではありません。

とりわけ最近になると、
安普請や管理の悪かったマンションは危険家屋化して
もう1度はじめから建て直しをする必要に迫られています。
香港でも同じ問題が起っていますが、
香港の場合は古いマンションは4階5階の低層建築が多く、
新しい建築法規によると、
30階建ても可能なところが多いので、
建築業者が持主から買い取っても採算にのるので、
次々と新しいビルに変わっています。

それが日本の場合は、
建築法規にもひっかかるし、
持主の財布の中身が1人1人違うので
足並みが揃うことは先ずありません。
従って金銭的に余裕のある人は
マンションを売り払って転出するし、
どうにもならない人だけが残って
スラム化する心配が一段と濃厚になっています。
そうなると、マンションを不動産投資の対象にすることは
いよいよ難しくなるので、
マンションは不動産投資から少しずつはずされる方向に向うことは
避けられません。

結局、駅に近くてテナントが出て行っても
すぐ次の借主が見つかるアパートに毛の生えたような
マンションだけが生き残り、
不動産投資の対象はオフィスビルか、
商業ビルということになります。
しかし、オフィスや商業用は
プロの不動産投資会社の持っているものが多く、
庶民の手に届くところにはありません。
それなら自分の住んでいる家のそばにある物件はあきらめて、
いっそのこと、
中国や香港や台湾やなかには韓国やタイやフィリピンはどうだ
と考える人も次第に多くなっています。
ですが外国の不動産となると、
法律も違うし、税法も違うし、賃貸の習慣も違うし、
家賃のレベルもまるで違います。
そういうことを一切無視してえらい目にあった人は
1人や2人ではありません。


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2011年6月19日(日)

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