第4092回
日本で海外投資をする不便
昨日は次に単行本として出版される
「逃げるお金に続け」(グラフ社刊)のご案内を申し上げましたが、
私が改めて皆さんの注意を喚起するまでもなく、
日本でうろうろしていたのでは危いと思うお金の方が
まだ少しずつですが、
日本から逃げ出しにかかっています。
最近の新聞にも出ていましたが、
円高もあって日本人の海外投資は年々ふえています。
日本国内の金儲けのチャンスが減る方向にあることも事実ですが、
日本国債のランクが引き下げられたのを見てもわかるように、
日本の財政状態は年と共に悪化する方向にあり、
増税は避けられないと思う人がふえています。
どうせなら日本の株を買うよりは
香港をはじめ、ベトナムやタイや
モンゴルの株に注目する動きが見られるようになりました。
この動きに乗じて外国株を扱う日本の証券会社もふえており、
口座をつくりたい人から申し込みがあれば、
すぐにそれにも応じてくれます。
そのことは別に違法ではありませんが、
日本の法律で日本人及び日本企業が
海外企業の増資に応ずる場合は
日本の大蔵省の許可を必要とする法律が
今もそのまま生きているので、
たとえば香港の上場会社が有償増資を発表すると
日本に口座のある人はそれに応ずることができないのです。
本当は日本政府がこんな時代遅れの法律はさっさと廃止するか、
顧客のために証券会社が議員さんに働きかける必要がありますが、
どちらも怠慢なので、
投資をしている人は増資の権利を放棄するか、
権利落ち前に株の売却をして
失権による損失を回避する必要があります。
新しく国海外投資をはじめた人は
そういう事情を知らないために当惑して
なかには増資を発表した海外の上場会社に
不平を鳴らす人もありますが、
こうした不公平をさけるためには
口座は日本の証券会社ではなくて
現地の証券会社に移しかえるよりほかないのです。
そのためにはどうしたらいいか、
私のところまで相談に来たり、
「ハイハイQさん」に質問してくる人が後を絶ちません。
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