中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4073回
財産づくりは先ず財産三分法破りから

自分の持っているお金をどういう具合に運用するかは
誰にとってもとても大切なことです。
上手にやれば、小さなお金でも大きくなるし、
逆にやれば親から貰った大きな財産だって
あッという間に消えてなくなってしまいます。

明治時代に安田善次郎という
安田財閥を築きあげた富山県出身の人がいて、
東大に安田講堂というのを寄付したので、
今でも名を残していますが、
この人が財産三分法というのを提唱しました。
少ししかお金を持っていない人が
更にそれを3つに分けたのでは見えなくなってしまいますが、
分けてもいい程度にお金があるようになったら、
3分の1を不動産に、3分の1を株などの有価証券に、
そして残りはいざと言う時の用意に、預金などの現金にしておけば、
何が起っても対応できるし、
心配をしないですむと言ったのです。

常識的には確かにその通りで、
別に異議を唱えるほどのことではありませんが、
私がお金のエキスパートとして世間から受け入れられ、
新聞や週刊誌にまでコラムを持つようになったのは
日本経済の高度成長がはじまった時で、
(一)何はさしおいても地価がドンドン値上がりし、
(二)株は値上がりする株と逆に値下がりする株が現われて、
上手下手、もしくは運不運で大きな差が生じたし、
(三)現金に至っては、
物の値上がりに逆行してドンドン値下がりしたので、
私は財産三分法に異議を唱えて、
できるだけ借金して土地を買うことをすすめました。

家を建てるのはコツコツと貯金をして、
お金が貯まってからというのが半世紀前の日本人の常識でしたが、
私は私の周辺に集まってきた人たちに、
会社から借金できるか、
でなければ会社が銀行と交渉して社員に融資してもらえるか、
そのどちらかができたら、借りるだけお金を借りて
先ず土地を買うようにすすめました。
東横線の駅から5分くらいのところでも
1坪が1万円で手に入りましたから、
サラリーマンでも100坪の土地が手に入ったのです。


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2011年5月5日(木)

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