中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4027回
インフレはどうにもとまらないだろう

外貨準備高のふえた分だけ、
中国では人民元の発行がふえるのですから、
ふえた人民元は銀行に預けられます。
ですからどこの銀行も人民元で溢れています。
それは銀行にとって商品ですから、
貸して利息を稼ぎたいのは山々ですが、
人民銀行が金利を引き上げたり預金準備率を引き上げたりして、
貸出しがしにくいように仕向けます。

それで投資が抑えられたり、
物価の値上がりにブレーキがかかればいいのですが、
お金がふえるのにそれを使ってはいけないと
ブレーキをかけることには無理があります。
2軒目の持家を禁じたり、
大きな家に税金をかけたりと政府は小細工をしていますが、
大もとの人民元がふえるのにストップをかけない限り、
不動産の値上がりもとまらないだろうし、
卵やメリケン粉の値上がりをとめることもできないでしょう。

ですからここでバブルがはじけることにはなりません。
中国の政府が人民元の切り上げをして輸出にストップをかけて
外貨の増大にストップをかけない限り、
人民元はふえ続けるし、
あれこれ不動産の値上がりに制限を加えても、
不動産は更に値上がりを続けることは大いにあり得ることです。

ということは、
かって東京で青山通りの土地が
坪当り300万円から1億円まで買い上げられる
まだ途中のところにいるようなものですから、
私の警戒警報をまともに受け取ったら、
大魚を逃がすことになる可能性もあるのです。
無我夢中でインフレの後を追いかけるよりも、
そうしたこともあるぞと用心しながら駒をすすめるのと、
そうでない場合を頭に入れて行動して下さい
というほどの意味に受けとっていただきたいのです。

仮に中国当局が方針を変えて
人民元の切り上げに踏み込んだとしても、
賃上げに勢いがついた中国でインフレ、
とりわけ生活物資や
日用品の値上げはとまらないと見るべきでしょう。
それは景気の持続を意味しますから、
株価にとっても決して悪いことではありませんが。


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2011年3月20日(日)

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